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[MOM315]広島ユースMF岡本洵(3年)_初戦のうっ憤晴らす3戦連発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.20 全日本ユース選手権決勝T1回戦 広島ユース7-1C大阪U-18 西が丘]

 初戦の悔しさを原動力に3戦連発弾を含む2得点でゴールラッシュの口火を切った。広島ユースのMF岡本洵(3年)は前半18分、25分と連続ゴール。後半の5得点は相手が10人になってから生まれたことを考えれば、岡本の2発が持つ意味は果てしなく大きかった。

 「神戸戦は自分が決定機を外して負けている。そういう意味でも責任感を持ってやっている」。グループリーグは初戦で神戸U-18に2-3で敗れる黒星スタートだった。しかし続く磐田ユース戦(5-0)、柏U-18戦(4-2)と大量点で連勝。岡本自身、2戦連発で神戸戦のうっ憤をぶつけ、A組1位で決勝トーナメント進出を決めた。

 前半18分の先制点は大きなサイドチェンジから右サイドをドリブル突破したMF砂川優太郎のクロスにフリーで合わせ、ヘディングで叩き込んだ。同25分にはMF野津田岳人の絶妙なスルーパスに反応。GKとの1対1を冷静に流し込み、2点目を決めた。

 「先制点を決めて、流れをつくりたかった。自分は決めるだけだった。チームメイトに感謝したい」

 システムはトップチームと同じ3-6-1。FW川森有真を頂点に、その背後でシャドーストライカーを務める岡本、野津田の動き出しがチームの生命線でもある。

 「自分が裏に抜けることでチームの流れもよくなるし、だから試合に出させてもらっていると思う。裏に抜ける動きをやめたらダメ」。1点目のクロス、2点目のスルーパスの精度も高かったが、岡本のスペースを逃さない状況判断とタイミングも抜群だったからこそ、2点ともフリーで決められたのは間違いない。

 10月3日の準々決勝では流通経済大柏高と対戦する。グループリーグからクラブチームとの4連戦だった広島にとって、高校チームとの対戦は今大会初となる。「相手が高校でも自分たちのやることは変わらないけど、自分たちはJクラブの下部組織だという誇りを持って戦いたい」。トップチーム譲りの攻撃サッカーが高校サッカー界屈指の強豪ものみ込むか。岡本は「もちろん、優勝だけを考えてやっています」と最後まで力強かった。

<写真>前半に貴重な2得点を決めた広島ユースのMF岡本洵。右腕を突き上げ、ガッツポーズ

(取材・文 西山紘平)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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