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[全日本ユース選手権]静岡学園は“学園らしさ”で2点リードも悔しい敗戦

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[10.9 全日本ユース(U-18)選手権 静岡学園高 2-4 広島ユース 国立]

 03年以来の決勝進出を目指した静岡学園高(静岡)だったが、前半2点のリードもむなしく、サンフレッチェ広島ユース(広島)に2-4で敗れ、準決勝敗退となった。

 立ち上がりからMF大島僚太とMF長谷川竜也を中心に広島ユースの守備陣を翻弄。前半11分、44分とFW利根瑠偉のゴールで先制し、2点リードで迎えたハーフタイムには「2点の気の緩みだけは気をつけよう」とチーム全員で声を掛け合っていた。

 しかし、後半3分に主将のDF金大貴がPAへ抜け出そうとした相手FWを止めようとして一発退場になると流れは一転、広島へ傾いた。その後、相手のDF宗近慧も退場となり、10対10の戦いになったが、後半20分に失点するとその流れを食い止めることができず。連続失点を喫してしまった。

 退場した金から「頑張れ、頼んだ」とキャプテンマークを託された副主将の大島が「もう退場になったのはしょうがないから切り替えていこう」と声を掛け、果敢に仕掛けていったが、悔しい敗戦となってしまった。

 それでも、この日の静岡学園は広島ユースの森山佳朗監督に「向こうがJユースでこっちが高校みたい」と称えられる技術をみせつけたのは確かだ。“学園らしさ”と口をそろえる「どこよりもつなぐ意識があるサッカー」(大島)で広島ユース相手にも自分たちの色を出し続けた。要所要所で見せる個人技の高さで相手を抜き去り、幾度も好機を作ってみせた。

 静岡学園の川口修監督も「この大会では学園らしさが出せた。ここまで来たら結果はどうでもいい。学園らしさをこういう場で出せるかだった。退場するまでは自分たちがやりたいサッカーが出来ていた」と前向きにこの日の試合を振り返った。

 決勝進出はならなかったが、ここまで“学園らしい”サッカーで夢の舞台である国立まで来たことには、大きな意味がある。今大会を通じて、大きく成長した選手たちが1月の高校サッカー選手権で、再び国立の舞台を沸かせてくれることを期待したい。

(取材・文 片岡涼)

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