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開幕戦惨敗から立て直す新生・清水、13日にはアヤックスと“腕試し”

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[4.9 チャリティーマッチ 清水1-1磐田 アウスタ]

 前半はほぼ完璧な内容だった。清水エスパルスアフシン・ゴトビ監督は「今までのゲームの中で一番良い45分だった」と評価。MF枝村匠馬がアンカーに入る中盤3枚が流動的に動き、枝村、MF小野伸二、MF山本真希の3人が交互に引き気味の位置でパスを散らしながら積極的に前線に飛び出す。磐田守備陣を翻弄し、立て続けにチャンスをつくると、前半45分にはセットプレーから先制点を奪い、前半を折り返した。

 小野の右CKに打点の高いヘディングで合わせたDF平岡康裕は「セットプレーから点が取れればチームは楽になる。そういうシーンをもっと増やしていきたい」と胸を張った一方、「後半に入って一人ひとりの運動量が落ちて、相手に間、間でプレーされて、ラインが下がりめになった」と反省した。

「運動量があるときはいいけど、きつくなったときに行くところと行かないところをどうするか。後ろから声をかければ変わると思うし、後ろからリーダーシップを出していきたい」

 3月5日の開幕戦では柏に0-3の完敗。主力選手が大量にチームを離れ、指揮官も代わったチームは悪夢の船出となった。その後、リーグ戦は東日本大震災の影響で中断。清水にとって、チームを立て直す時間にもなった。

 システムが4-2-3-1から4-3-3に変わったこともあるが、DF太田宏介は「あれだけメンバーも代わって、サッカーも変わって、最初は迷う部分もあった。最近は同じメンバーで練習試合もやっているし、やることが整理できてきた」と言う。選手の戦術理解が深まり、ようやくチームは形になってきた。

 チームは11日にオランダへ出発。13日にアムステルダムでアヤックスとチャリティーマッチを行う。リーグ再開初戦となる23日の福岡戦を前に日程はタイトになるが、それ以上に貴重な経験を得られる試合となるのは間違いない。平岡は「チームとしても個人としても、海外のチームと試合をやれるチャンスはなかなかない。チャリティーマッチだけど、いい試合をして、勝って日本に帰ってきて、Jリーグに弾みを付けたい」と意気込んでいた。

(取材・文 西山紘平)

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