beacon

柏が横浜FM下し決勝へ、初優勝&2年連続ACLに王手

このエントリーをはてなブックマークに追加
[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM0-1柏 国立]

 天皇杯は29日、準決勝を行い、東京・国立競技場では横浜F・マリノス柏レイソルが対戦した。柏は前半23分、FW工藤壮人が先制点。この1点を最後まで守り抜き、1-0で競り勝った。準優勝だった08年度大会以来、4大会ぶりの決勝進出を果たした柏。初優勝(前身の日立製作所時代を含めれば3度目の優勝)と2年連続のACL出場権を懸け、元日に国立競技場で行われる決勝でG大阪と対戦する。

 横浜FMは準決勝の名古屋戦(0-0、PK7-6)と同じ先発メンバー。FW小野裕二が1トップを務め、2列目は右からMF兵藤慎剛、MF中村俊輔、MF狩野健太と並んだ。
 柏はMF茨田陽生、DF橋本和が累積警告で出場停止のため、ボランチにMF栗澤僚一、左SBにはDF山中亮輔が入った。準決勝の大宮戦(3-2)はボランチで先発したDF那須大亮が右SBで先発し、この試合まで3試合出場停止処分を受けているMFレアンドロ・ドミンゲスの代役となる右MFはMF水野晃樹が務めた。
[スタメン&布陣はコチラ]

 試合のいい入りを見せたのは柏だった。立ち上がりから積極的なプレーで相手陣内に攻め込み、両サイドを起点にチャンスをうかがう。すると前半23分、MFジョルジ・ワグネルの左クロスをファーサイドのMF澤昌克がヘディングシュート。難しい体勢からのヘッドはGKの頭上を越え、ゴールライン上でDF中澤佑二がヘディングでクリアするも工藤が素早く反応し、頭で押し込んだ。

 1点を追う展開となった横浜FMはなかなかフィニッシュまで持ち込めない。前半31分、相手のパスをインターセプトした狩野がミドルシュートを狙うが、ゴール上へ。同38分には中村が右45度の角度から左足を振り抜いたが、強烈なブレ球シュートはGK菅野孝憲の好セーブに阻まれた。

 前半を0-1で折り返した横浜FMは後半開始から狩野に代えてFWマルキーニョスを投入。小野が左サイドに回り、マルキーニョスが1トップに入った。後半7分には中村が直接FKを狙うが、GKにキャッチされるなど1点が遠い横浜FM。同11分、DF小林祐三がイエローカードを受け、たとえ決勝に進んでも累積警告で出場停止となることが決まった。

 追加点を取って勝負を決めたい柏も2点目を決め切れない。後半15分、カウンターからジョルジが持ち上がり、左サイドに開いた工藤に展開。折り返しをファーサイドから走り込んだ水野が右足ダイレクトで狙ったが、シュートはミートできなかった。

 横浜FMは後半26分、小林に代えて負傷明けのMF齋藤学をピッチに送る。兵藤が右SBにポジションを下げ、小野が右MF、齋藤は左MFに入った。攻撃的な布陣にシフトし、同点ゴールを目指すが、齋藤、マルキーニョス、中村と立て続けに放ったミドルシュートはいずれもゴール上へ。後半37分には右45度から中村が直接FKを狙うも、わずかに枠外だった。

 後半41分にはMF富澤清太郎に代えてMF谷口博之を投入し、最後のカードを切った横浜FM。必死の反撃も柏の粘り強いディフェンスをこじ開けられない。柏は後半45分にDF近藤直也が担架で運び出され、DF渡部博文が急きょCBに入るアクシデントに見舞われたが、終了間際の決定的なピンチも守備陣が体を張ってしのぎ切り、タイムアップ。1-0で逃げ切った柏が4大会ぶりの決勝進出を決め、初優勝&ACL出場権獲得に王手をかけた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
第92回天皇杯特設ページ

TOP