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4年ぶり出場山形大医学部、MF宮脇“地元凱旋”も大敗に悔しさ「自分は5年生、来年もチャンスがある」

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山形大医学部は1回戦で敗退

「思っていたより相手のシュートがうまかった。なるべく1対1にならないよう、2対1の状況を作ろうとしていたのですが……」

 試合後、山形大医学部のMF宮脇黎央(5年=湘南高)は、そう言ってうなだれた。自身にとってもチームにとっても4年ぶりとなる天皇杯出場。4年前は、当時J1だったモンテディオ山形を相手に、開始1分で先制点を奪った。結果は1-7で敗れたが、その時のイメージもあり「立ち上がりは勢いよくいこうと、チームでも話をしていた」という。

 実際、開始早々の5分には、FKの展開からMF濱田啓一(6年=開成高)がゴール前に詰める場面があった。「チャンスはあった。あれをモノにできていれば」。

 そして前半のうちは、中盤で桐蔭横浜大からボールを奪い、サイドに展開するシーンも見られた。だが、後半に入ると桐蔭横浜大が一方的に攻める展開に。5月とは思えない、30℃近い高温も山形大医学部を苦しめた。次第に足も止まり、後半は5点を許す結果となった。

「4年前はプロの隙きを突いて得点することができたし、15分くらいまではリードしていた。けれど今回は同じ大学生相手に、無得点のうえ大量失点で終わったのが悔しい」(宮脇)

 地元・湘南の出身。小学生の頃には、このスタジアムで天皇杯の前座試合でプレーしたこともあるという。4年前には自身として天皇杯初出場をはたし、2回目の天皇杯となるこの試合は、満を持しての地元“凱旋”だった。それだけに、0-8という大敗には悔しさを隠しきれない様子だ。

 チーム全員が医師を目指す状況にあって、サッカーを続けることは容易ではない。それでも授業や実習の合間をぬって週4日の練習を確保しているという。「自分は5年生だから、来年もまだチャンスがある」(宮脇)。“ドクターの卵”たちは来年もまた天皇杯を目指す。

(取材・文 飯嶋玲子)
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