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Jクラブ“ほぼ不参加”の天皇杯、JFAが経緯説明「1〜4回戦は入場料無料」

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記者説明会を行ったJFAの須原清貴専務理事(オンライン会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット )

 日本サッカー協会(JFA)は23日、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期が決まっていた第100回天皇杯を9月16日に開幕する方針を固めた。出場チームは50チームに大幅削減。JリーグからはJ1の2チームが準決勝から参戦するのみで、J2・J3はすべて不参加という大会方式となる。同日、須原清貴専務理事がオンライン記者発表会で異例の決断の背景を明かした。

「大会方式を決定するにあたってはまず関係者の安全、第二にJリーグのレギュラーシーズンの消化を考えた」。

 JFAは現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、あらゆる関連活動の一時停止措置を取っている。そのため多くの都道府県では天皇杯予選が開催できず、当初5月23日に開幕予定だった本大会の延期も決まっていた。

 今回、新たな開幕日は9月16日に設定された。「大会方式を考えるにあたって、揺るぎなく上位概念に来るのは皆様の安全。サッカーに関係する皆さん、選手の皆さん、応援する皆さん、大会をサポートをしてくれるみなさんの安全が第一」(須原専務理事)。予選日程に余裕を与えることで、感染リスクの高い時期の強行開催を防ぐことが期待される。

 また出場チームも当初の88チームから50チームに大幅削減した。都道府県代表47チーム、アマチュアシード枠には変更がないため、出場枠が減らされたのはすべてJクラブだ。

 優勝候補を担うJ1クラブは準決勝から参戦する2チームに絞られ、その他は不参加。また本戦出場権を持つJ2クラブも参加せず、例年は都道府県予選を戦うJ3クラブは予選にも出場しない。すでに都道府県予選を勝ち抜いたJ3クラブもあるが、当該予選はやり直しとなる。

 こうした異例の決断に至った理由は、Jリーグのシーズン再開の見通しが立っておらず、レギュラーシーズン完了のために過密日程となることが見込まれることで、各クラブが天皇杯を消化する余裕がないためだ。

「Jリーグが日本サッカー界の中心にあり、エンジンであり、ドライバーであるのは誰もが認めるところ。Jリーグがどのタイミングで再開できるか決められない状況が続いている。レギュラーシーズンを1節でも多く、1試合でも多く消化し、あの興奮あふれるゲームをお届けすることが重要であると考えた」(須原専務理事)。

 決定の際にはJリーグ関係者も参加する天皇杯実行委員会内で「2チームで出るというのがふさわしいのか、第100回大会をこのような形でするのがふさわしいのか」といったさまざまな意見も出たそうだが、最終的には「レギュラーシーズンをしっかり消化することが重要であり、みんなで一緒に克服していこう」という形で意見がまとまったという。

 なお、J1の2チームが参戦する準決勝は12月27日(日)に組まれた。現状は今季J1の上位2チームに出場権が与えられる方針だが、レギュラーシーズンが完了していない場合も想定される。須原専務理事は「2チームという数字は決めたが、あらためてJリーグのスケジュールを協議した上で、天皇杯実施委員会で最終決定をする」と述べ、2チームの選出方法は今後の決定事項とした。

 加えて高リスクとされる長距離移動を防ぐため1〜3回戦は隣接地域同士で対戦すること、アマチュア同士の対戦が続くため「1〜4回戦は入場料無料で行う」という方針も固まった。須原専務理事は感染状況次第では「無観客試合も想定している」としつつも、「できるだけ多くの皆さんにアマチュア同士の試合であっても見ていただきたい」と述べた。

(取材・文 竹内達也)
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