beacon

Jリーガーをも魅了した大一番パネンカ…eJリーグを最も盛り上げた男、柏代表“Ax”橋木俊平

このエントリーをはてなブックマークに追加

左から祢津晴之亮、橋木俊平、本田裕崇

 優勝には届かなかったが、eJリーグを最も盛り上げた男だった。柏レイソル代表の一人、橋木俊平(21)は鮮やかなプレーを連発。Jリーグ屈指のeスポーツプレーヤーでもあり、今大会の解説を務めたベガルタ仙台FW中島元彦、FC東京MF三田啓貴を唸らせた。

『eFootball™』シリーズを使用したeスポーツ大会「eJリーグ eFootball™ 2022シーズン」は、「モバイル部門 18歳以下」「モバイル部門 全年齢」「PlayStation部門 全年齢」の3カテゴリ各1名ずつで1チームを形成。柏は「PlayStation部門 全年齢」が橋木、「モバイル部門 18歳以下」が祢津晴之亮(17)、「モバイル部門 全年齢」が本田裕崇(20)でチームを組んだ。

 突出した実力を見せたのが橋木だ。過去にはBS11CUP全日本eスポーツ学生選手権大会で優勝し、全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2020では東京都代表として準優勝も経験。“Ax”のプレーヤーネームでその界隈でも名を馳せる男は、経験から来る冷静さで今大会でもチームを勝利に導いていく。

 準決勝・清水エスパルス戦では1-1で延長戦に突入すると、1-2で追い込まれた延長前半終了間際にPKを獲得。決めれば同点に追いつける場面で橋木が選択したのは、チップキックでゴール中央に蹴り込む“パネンカ”。「取ったら絶対に自分の流れになると思ったときは必ずやる」という必殺技を決め切り、会場を大いに盛り上げた。

 2-2で追いついた橋木は、PK戦でももう一度パネンカを敢行。一試合で2度のパネンカをお見舞いし、決勝進出を決めた。

 決勝でもその活躍に期待が懸かった橋木だったが、「準決勝であれだけPKを見せてしまうと、自分との葛藤があってめっちゃ緊張しました」。北海道コンサドーレ札幌との決勝戦では先制に成功するも、まさかの逆転負け。相手に勢いを与え、優勝を逃した。

 準優勝に終わったが、観る者を魅了した。「eFootballのeJリーグは今大会が初めてだったので、結果としては満足。あれだけ盛り上がってくれると自分もうれしい。今後もがんばりたい」と爽やかな笑顔も見せる。「優勝を目指して、一から練習していきたい」と新たな戦いに目を向けていた。

(取材・文 石川祐介)

TOP