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[フットサルW杯2012]ハットトリックも逆転負けを喫し涙のFPリカルジーニョ「日本戦が尾を引いた」

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[11.14 フットサルW杯2012 ポルトガル3-4イタリア ニミブット]

 残像は最後まで消えなかったという。11月4日、ポルトガル代表は日本代表と対戦し、後半の途中まで5-2でリードをしていた。しかし、パワープレーから3失点を喫し、まさかの引き分けに持ち込まれた。フットサル日本代表にとっての歓喜の瞬間は、同時にポルトガルにとって悲劇でもあったのだ。

 準々決勝のイタリア戦でも、再び同じ悪夢がポルトガル代表を襲った。FPリカルジーニョ(名古屋オーシャンズ)のハットトリックで、3-0とリードして迎えた後半、パワープレーに出たイタリアに3点を許し、同点に持ち込まれた。迎えた延長前半3分にゴールを決められると、ポルトガルは反撃に出ることができなかった。

『日本戦に通じるものがあったのでは』と聞かれたリカルジーニョは、「その通りだ」と認めた。

「あの試合で私たちは自信を無くしました。その後、どの試合でもパワープレーをされたときに、失点を喫しているのは、あの試合が尾を引いているからでしょう。今大会のポルトガルにとって、痛恨だったのは日本戦でパワープレーを守ることができなかったことです」

 また、この試合が難しくなった理由の一つには、前半12分にFPカルディナルが2枚目の警告を受けたことがある。ここまでチーム最多7得点を挙げたピヴォを失ったことで、ポルトガルは苦戦を強いられた。

「前半と後半でまるで違う試合になりました。前半はチームとして機能していましたし、得点をもっと挙げていても不思議ではありませんでした。しかし、前半にカルディナルが退場したことが、後半に大きく響いてしまいました。非常にガッカリしています。後半の早い時間帯にPKから失点してしまい、点差を広げるチャンスもあったのに、決めることができませんでした。それがこの試合の勝敗を分けたポイントでしょう。3-1の状況から、リードを広げることができなかったことです」

 鮮やかなオーバーヘッドを含む3ゴールを挙げたことについても「この結果に終わってしまったから、まったく嬉しくないね。3点取ったとしても、試合に勝たなければ意味がないんだ。フットサルはチームで戦うもので個人競技ではないから、満足はできないよ」と、肩を落とした。会場を沸かせ続けた小柄なテクニシャンにとっての2度目のW杯は、ベスト8で終わってしまった。

(取材・文 河合拓)

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