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[Fリーグ]8試合中3試合ノーゴールの府中 FP三井「うちはケチャップのようなチーム」

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 ホーム開幕戦以降、目が合うとバツの悪そうな顔をしている。府中アスレティックのFP三井健である。ホーム開幕戦となった湘南戦の前に「絶対に点を取ると約束します」と、公約した三井だったが、ノーゴールに終わり、チームも勝てなかったからだ。

 開幕戦の浦安戦(2-3)でゴールを決めた三井だが、それ以降の6試合はノーゴール。フットサルは得点が入りやすいスポーツなのだが、チームを見ても第8節の大阪戦(0-1)を含めて、無得点試合が3つもある。得点力を期待され、得点王を目標に掲げている三井も、その責任を重く受け止めている。大阪戦後、自虐的に「有言不実行の男です」と苦笑した。

 大阪戦では、三井をはじめ、府中のピヴォは高い位置で縦パスを受けることができなかった。FP山田ラファエル・ユウゴやFPロドリゴといった長距離砲がいるのは大きな武器だ。しかし、引いた相手に対し、彼らがやみくもに入る可能性の低い遠い位置からミドルシュートを乱打してしまえば、逆に自分たちの首を絞めることになりかねない。大阪のGK宮竹晴紀も「ラファエルやロドリゴが遠くからバンバン打ってくる展開になれば、怖くないと思っていた」と、狙い通りの試合運びができたことに胸を張った。

「練習だとみんな走るんですけどね」と、三井は首をかしげて「リスクを恐れずに点を取る動きができませんでしたね。ボールを持って自分がなんとかしようという選手が今日は多かったのかもしれない。足が止まって、ボールも人も前に運ぶフットサルが、昨日よりはできなかった。でも、チャンスを決められなかったのはピヴォの責任」と反省した。後半にロドリゴから決定的なパスを受けたが、シュートをポストに当ててしまい、決められなかったことで、ロドリゴをイライラさせたことも、攻撃が単調になった理由と分析した。

 それでも、三井は楽観的だ。「うちのチームはケチャップのようなチームで、入るときは入るし、入らないときは、入らない。一つ決まれば、4点、5点、一気に取れますよ」と、サッカー日本代表MF本田圭佑の言葉をアレンジした。

 確かに先制できれば、相手は同点ゴールを狙いに前に出てくる。そこでボールを奪ってから、山田やロドリゴがシュートを打てば、ゴールが入る確率は高まるだろう。次節、府中はアウェーで町田との東京ダービーを戦う。勝利が求められる一戦を前に、三井は「今度こそ有言実行の男になります」と宣言した。「ハットトリック?」と聞き返すと、「いや、それは…」と言い淀み、「じゃあ、間を取って2点取ります!!」と、力強く宣言した。

 三井が自身の公約を達成するためにも、やはり先制点はほしいところだ。得点を重ねていけば、出場時間も長くなっていくだろう。今季、まだスタメン出場がない府中の18番は、今度こそ自身のゴールでチームを勝利に導けるか。

(取材・文 河合拓)

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