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[選手権]京都橘の1年生CB林、先制弾もPK献上に「3年生に申し訳ない」

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[1.19 全国高校選手権決勝 鵬翔2-2(PK5-3)京都橘 国立]

 国立ファイナルで歓喜と無念の両方を味わった。京都橘(京都)の1年生CB林大樹は前半41分、MF中野克哉(1年)の右クロスのこぼれ球に反応すると、豪快な右足シュート。弾丸ライナーの一撃にGKは反応したものの、弾き出すことができずに先制点となった。だが、チームに歓喜をもたらした背番号3は2-1とリードした後半39分にPAでファウルを犯してしまい、痛恨のPK献上。これが同点ゴールとなり「自分のせいでPKになって、負けてしまった責任がありますし、3年生に申し訳ないことをした」と唇を噛んだ。

 林は今大会全試合で先発フル出場。京都サンガF.C.U-15時代に日本一を経験しているDFは、1年生とは思えない落ち着きと対人の強さで京都橘の決勝進出に大きく貢献した。そしてセットプレーで危険な存在となってきた16歳は決勝で今大会初得点となる先制弾。「今まで決めるチャンスはあったけれど、決めきれなくて貢献できてなかったんですけど、この大舞台で点を取れたのは良かった」とわずかに頬を緩めた。

 ただ「守備の鵬翔と言われていたけれど、攻撃も強かった」と振り返ったように、鵬翔攻撃陣は強力だった。同じ1年生のFW北村知也に苦戦し、セットプレーでプレッシャーをかけられた。先制して逃げ切る自分たちの理想通りの試合展開だったはずだが、逃げ切ることはできなかった。「いつもは逃げきれたんですけど、逃げ切れなかったのは自分たちの甘さがこういうところで出たのかなと思いますし、来年からはなくしていきたいです」

 新チームでは最終ラインのリーダー格として期待される。「今年は3年生のCB(橋本)に任せて自分はついていくだけだった。来年はボク中心にやっていきたいですし、自分から声出して、身体を張って、注目されるようにやっていきたい」。学んだ悔しい経験を忘れずに、来年は国立でより輝きを放つ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2012

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