[10.14 全国高校選手権埼玉県予選2回戦 川越南2-6西武台 西武台G]

　第92回全国高校サッカー選手権埼玉県予選は14日、2回戦を行い、3年ぶりの優勝を目指す西武台と川越南との一戦は西武台が6-2で勝った。西武台は10月27日の3回戦で2年前の代表校、浦和東と対戦する。

　得点力の高さと出足の速い守備で健闘した川越南を西武台がねじ伏せた。先手を取ったのはレフティーの10番・大野貴裕(3年)中心に切れ味のあるカウンターを繰り出す川越南。前半5分、カウンターから右SB近藤瞬(3年)が中央を持ち上がると左サイドへ展開する。これを大野が中央でフリーのMF栗原大樹(3年)へ正確につなぐと、栗原が豪快な右足シュートを叩き込んで先制した。

　優勝候補から奪った先制点。“ホーム”西武台を沈黙させた川越南は、ルーズボールや相手のクロスボールへの反応良く、相手の危険なボールをしっかりと跳ね返していく。ただ守屋保監督が「独特な選手権という高校生にとって最後の大会なので、チャレンジャーの気持ちでいかなければ厳しい試合になるだろうと予想してしました。何か起こすだけの相手なので1、2点は覚悟していた。(自分たちは)この選手権に向けて『強い』子を探そうと進めていました。(選手権は)上手い子より苦しい状況になっても日ごろと同じ力を発揮できる子の方がいい」と説明したように、ハートの強さも発揮できるメンバーで試合に臨んだ西武台は12分、右サイドからPAへ入り込んだSB小澤学史(3年)が鮮やかにゴールを破り同点。さらに22分には10番MF松山友弥(3年)が右サイドを単独で切り裂き、FKを獲得すると、その右FKのこぼれをFW田中将洋(3年)が左足ボレーで叩く。これはクロスバーを叩いたものの、跳ね返りをチーム一声を出して盛り上げていたCB矢島和弥(3年)が右足で押し込んで逆転した。

　この2失点で出足が鈍くなった川越南を西武台が突き放す。38分、ゴール前の混戦からMF及川皓平(2年)が頭でゴールヘ押し込んで3-1とした。ただ、川越南は直後の40分、大野のスルーパスで抜け出したFW遊佐拓矢(3年)が右足でゴールヘねじ込む。西武台はオープンスペースへ飛び出す田中と松山、トップ下で強さを上手さを見せる司令塔のMF三沢直人(3年)を軸に攻めていくが、PAで隙を見せない川越南からなかなか4点目を奪うことができない。

　それでもトップ下の三沢をボランチに下げるもうひとつのオプションで守りを安定させた西武台は後半17分、自陣でインターセプトした三沢がすかさず前線へ絶妙な縦パス。これに走りこんだ田中が右足シュートをゴールヘねじ込んで待望の4点目を奪った。川越南も後半26分に交代出場のMF三澤航(3年)が決定機を迎え、37分にはコンビネーションから遊佐がGKと1対1となる。ただGK新井栄聡(3年)の好守の前に追撃することができず。逆に38分、西武台は終盤に運動量を増やしてゴールへ迫っていたMF川又悠史主将(3年)が右足シュートを叩き込んで5-2。さらに39分には松山がドリブルシュートを豪快にゴールヘ突き刺して川越南を退けた。

　矢島や交代出場のFW西村隼人(3年)が声やプレーでチームをもり立てるなど、勢いに乗った相手を跳ね返してまずは初戦突破。大型選手多く、技術も高いチームの目標は全国復帰しかない。三沢は「今年は絶対に勝ちたいですね。インターハイも武南に負けたので絶対に勝ちたいです」。3回戦は新人戦決勝で敗れている浦和東との注目カード。強さを発揮した西武台が強敵も突破する。

[写真]後半17分、西武台はFW田中が相手GKの股間を射抜くシュートを決めて4-2と突き放す

(取材・文　吉田太郎)

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【特設】高校選手権2013