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[選手権]好守連発の熊本国府GK小野「PK戦でも自信はあった」

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[12.30 高校選手権1回戦 熊本国府2-1國學院久我山 国立]

 守護神のビッグセーブなくして勝利はあり得なかった。2得点のFW大槻健太(3年)とともに熊本国府(熊本)の勝利の立役者となったのがGK小野公治(3年)だ。被シュートは14本。終始、劣勢を強いられ、何度となくピンチを招いたが、最少失点に食い止めた。「かっこ悪い姿を見せちゃったけど、こういう試合をやっても勝てるところを見せたかった」。粘り勝ちに胸を張った。

 前半5分のセーブで波に乗った。FW富樫佑太(3年)の決定的なシュートに対し、必死に腕を伸ばすと、手をかすめたボールは左ポストを直撃。ゴール前に詰めていたFW松村遼(3年)も合わせ切れず、最初のピンチを逃れた。

「ポストに当たったシュートでスイッチが入った。ギリギリのところで触って、ポストに当たって、相手が空振りした。あのプレーがその後の試合につながった」

 その後も好守を連発した小野。先制後の前半33分には富樫の強烈な右足ミドルを横っ飛びで弾き出す。後半13分にもMF渡辺夏彦(3年)の決定機に身を挺してセーブ。同30分、ついに同点ゴールを許したが、「失点する覚悟はできていた。1点は取られると思っていた」と動じなかった。

 1-1のままPK戦に突入しても自信はあった。「PK戦でも自分が止めて勝つイメージがあった。昨日の天皇杯を見ていたので、(広島の)西川(周作)選手のセーブを見てイメージしていた。PK戦でも自信はあった」。ところが、後半アディショナルタイムに大槻が劇的な決勝点。最大の見せ場は訪れず、「まさか(大槻)健太が2点目を決めてくれるとは」と思わず苦笑いしていた。

 国立競技場での開幕戦を制し、2回戦に駒を進めた。初出場だった98年度大会はベスト8。それ以来、15年ぶり2回目の全国選手権では、それを超える成績が目標だ。「絶対に国立に戻ってきたい。そして優勝したい」。熊本県勢初のベスト4、そして頂点へ。熊本国府の挑戦は始まったばかりだ。

(取材・文 西山紘平)

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