beacon

[選手権]大逆転劇呼び込む追撃弾、富山一FW高浪「喜び過ぎて疲れた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.13 全国高校選手権決勝 富山一3-2(延長)星稜 国立]

 反撃の狼煙を上げた。0-2と2点を追う後半42分、FW高浪奨(3年)の追撃弾で試合の流れは一変した。後半アディショナルタイムにPKで追いつき、延長後半9分に決勝点。2点差をひっくり返す大逆転劇の呼び水となるゴールだった。

 DF竹澤昂樹(3年)からの縦パスに反応したFW村井和樹(3年)が左サイドのスペースに抜け出し、ゴール前にクロス。DFの頭上を越えてきたボールをコントロールした高浪が左足でゴールに蹴り込んだ。ゴールネットを揺らすと、すぐにボールを持ってセンターサークルへダッシュ。「逆転しないといけなかったし、少しでも早く戻ろうと。絶対に行くぞという気持ちになった」。残り3分からの大逆転で初優勝。「まだ実感は沸いてない。すごくうれしくて、喜び過ぎて疲れた」と白い歯をこぼした。

 後半14分からの途中出場だった。「『点を取ってこい』としか言われなかった」。右サイドハーフに入り、終盤は4-3-2-1へのシステム変更に伴い、シャドーの位置に入った。持ち前のスピードを生かして星稜守備陣をかく乱。自身が入ったときは2点ビハインドの状況だったが、「みんなちょっとうつむいているところもあったけど、自分が絶対に点を取る気持ちだった」と、チームを活性化させた。

 準々決勝の日章学園戦(4-0)こそ出番はなかったが、残り5試合はいずれも途中出場。「決勝の前までは緊張していて、自分のプレーができなくて落ち込んでいた。決勝で決めることができてよかった」。国立決勝の大舞台で今大会初ゴール。最後の最後に大仕事をやってのけたスーパーサブは胸を張り、会心の笑みを浮かべていた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2013

TOP