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[選手権]全国屈指の強豪相手に「通用した」パスワーク、前原が自分たちのスタイルで久我山に挑戦

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 35年ぶりに全国高校サッカー選手権に出場する前原高(沖縄)にとって、夏の経験はチームにとって貴重なものになっている。彼らは今夏、全国高校総体沖縄県予選で36年ぶりに優勝。8月の全国総体初戦で高円宮杯プレミアリーグ勢の名門・青森山田高(青森)と戦った。結果は0-3。それでも和仁屋恒輝監督が「この子たちもある時間帯はできた」と振り返り、エースFW田里駿主将(3年)も「青森山田相手にパスワークは通用した」と語ったように、チームは全国屈指の強豪相手との戦いから手ごたえを感じている。司令塔のMF當山隆馬(3年)を中心に最終ラインから徹底したパスワークで対抗。最終的にベスト4まで勝ち進んだ青森山田の堅守の前にバイタルエリアを攻略することはできなかったものの、前半からポゼッションして27分に先制点を奪われた後も自分たちの攻撃を続けることができた。

 あれから約5か月。和仁屋監督が口にする「(強豪相手に)前原のサッカーがより長くできるようにしよう」という目標にどこまで近づくことができたか。田里は「パスワークの部分をさらに伸ばしてフィジカル、体力面なども少し補った」と語り、FW上間夕輝(3年)は「パワーアップしたところは距離間が遠くてパスが回らない時期があったんですけど、修正してパス回るようになったのでそこが強くなっていると思います」という。公式戦で全国トップレベルを知った選手たちは、その経験を糧に意識高くトレーニングを積んで着実に成長してきた。

 夏以上のチームとなって全国へ戻ってきた前原の実力は、國學院久我山高(東京A)との初戦(12月31日)で試される。當山は「自分なんかがボールを持ってテンポができれば、どこの相手でもポゼッションできると思う。アウェーだし、久我山もポゼッションするチームだと思うので慣れるまで圧倒されると思うんですけど、自分たちの良さを出せれば大丈夫だと思います」。試合会場が東京の駒沢陸上競技場ということもあり、前原にとっては完全アウェーの環境となることが濃厚だが、沖縄3冠王者の前原は臆することなく自分たちのポゼッションを貫いて全国初白星を目指す。

[写真]アンセムジャージをまとう前原イレブン。全国初勝利へ気合十分だ

(取材・文 吉田太郎)
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