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[選手権]指揮官へ届けたメッセージ、星稜DF鈴木「決勝で勝つことが一番の恩返し」

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[1.10 全国高校選手権準決勝 日大藤沢高 0-3 星稜高 埼スタ]

 最終ラインで待ち構え、相手攻撃を封じ込める。たとえ味方が抜かれても体を投げ出し、シュートコースに立ちはだかった。今大会4試合を行い、喫した失点はわずかに1。しかし、3試合目の完封勝利にも星稜高のキャプテンを務めるDF鈴木大誠は、「満足していません」と振り返った。

 試合開始から主導権を握った星稜は、前半だけで3点を奪い大量リードに成功する。だが、ここで心に隙が生まれたと鈴木は話した。「前半で3点を奪って、少し余裕ができてしまった分、後半は組織的な守備ができなくなってしまいました」と反省を口にした。しかし、「試合後にもディフェンス陣はまだまだ充実していないと話したし、このままでは決勝で失点してしまうので、明日の練習で確認しようと思います」と勝って兜の緒を締めている。

 2年生だった昨年も決勝の舞台に立ったが、チームは敗れた。しかし、多くのことを学んだという。「去年のチームの良さはチームワークであり、そのチームワークの大切さを一番学びました。チームのために全員がやることで、良い試合ができるのだと実感しました」と先輩たちを近くで感じてきたからこそ、今年のチームに足りない部分も理解していた。

「チームワークが今年のチームに一番足りない部分でした。まったくチームとしてのまとまりがなくて」と苦笑したが、「でも、そこは選手権前に特に意識して取り組んできて、決勝に来れたことで去年のチームに匹敵するまとまりが出てきたと思います」と自信を覗かせた。だが、まだ去年のチームと同じ舞台に立てることが決まっただけであり、「決勝で勝つことで去年のチームを越えられたと思えるので、チームとしての結束力を高めて決勝に臨みたい」と結果で先輩たちを抜きたいと意気込みを示した。

 5日に行われた準々決勝後には一度、石川へと戻った。その際に昨年末に交通事故に遭い、現在は入院中の河崎護監督へメッセージを届けている。「コーチが監督のお見舞いに行くときに、何かを渡そうということになって、皆で色紙にメッセージを書きました」と話すと、自らは『決勝で一緒にピッチで戦いたいです』とメッセージを送ったことを明かした。「絶対に決勝で勝ちたい。決勝に向けて最高の準備をして、決勝で勝つことが監督への一番の恩返しになると思う」。指揮官への恩返しのため、そして昨年のチームを越えるため、目指すは優勝だけだと力強く話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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