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[選手権]昨年のリベンジに燃える星稜「決勝は雪辱を果たす舞台」

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 第93回全国高校サッカー選手権決勝が12日、埼玉スタジアム2002で開催される。10日に開催された日大藤沢高(神奈川)との準決勝を3-0で制し、2大会連続での決勝進出を決めた星稜高(石川)は11日、午後12時から都内のグラウンドで前橋育英高(群馬)との決勝戦に向けてトレーニングを行った。

 前回大会でも決勝を戦った星稜は後半42分まで2-0と富山第一高をリードしながらも、その後2点を返されて延長戦へと持ち込まれ、延長後半9分に決勝ゴールを献上して2-3で敗れた。当時、2年生ながらも決勝戦に出場していたMF前川優太(3年)が、「この1年間ずっと、あの悔しい思いを胸にやってきたので、ようやくここまで来たなという感じです」と日大藤沢戦後に語ったように、12日はリベンジの舞台に立つこととなる。

 昨年、決勝の舞台を経験した選手は前川の他に、DF原田亘(3年)、DF鈴木大誠(3年)、FW森山泰希(3年)、FW長谷川朔太郎(3年)の5選手。今年、主将を務める鈴木は「決勝は去年の雪辱を果たす舞台だと思うので、1年間やってきたことをすべて出して絶対に勝ちたい」と並々ならぬ意気込みを示すと、森山も「去年の借りを返すときがやってきたという感じです」と力強く語った。

 そして、その思いは昨年はスタンドから応援していた選手も変わらない。今大会ここまで3得点を奪い、得点ランクトップタイに立つFW大田賢生は「去年はメンバー外でピッチに立てなかったので、しっかり応援しようという気持ちでした」と当時を振り返ると、「でも、去年は決勝で負けてしまったので、今年こそ優勝という思いが強いです」と大会期間中に語っている。

 選手たちの思いは、昨年末の交通事故の影響で入院中の河崎護監督に代わってチームを率いる木原力斗監督代行も十分に理解している。「去年の悔しい思いを経験している選手もいるし、新チームになってから、『日本一』になりたいという思いで彼らもやってきています。3年生最後の大会なので自分の思いをすべてぶつけてほしい」と話した。

 そして、現在は入院中である河崎護監督への強い思いもある。「去年負けて、悔しい思いをしていますが、監督が一番悔しい思いをしていると思う。優勝して一番の恩返しをしたい」(鈴木)。昨年のリベンジ、指揮官への恩返し、そして悲願の日本一――。さまざまな思いを成就させるため、星稜は決勝の舞台へと向かう。

(取材・文 折戸岳彦)
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