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[選手権予選]巧みに星稜撃破の決勝点演出!鵬学園MF千葉東主将が石川県予選MVPに

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[11.5 全国高校選手権石川県予選決勝 星稜高 0-1 鵬学園高 西部緑地公園陸上競技場]

 名門・星稜高の連覇が17でストップした第95回全国高校サッカー選手権石川県予選の大会MVPには、優勝した鵬学園高のMF千葉東泰共主将(3年)が選出された。千葉東は今大会、「MVPの力は発揮できていないと思っている。100パーセント、120パーセント出せていないので全国で出したい」と語るように自身のプレーには満足をしていない。それでも、中盤で違いをつくることのできる注目MFは決勝でも貴重なゴールを演出した。

 前半22分、千葉東は中盤中央でボールを持つとDFをいなすように右へボールを運ぶと、釣られて寄ってきたDFの背後を突く絶妙パス。これでFW西川大祐が抜け出すと、そのラストパスを受けたMF森田蓮が右足でゴールを破った。「マークが厳しいので、味方がどれだけフリーでパス出せるかということを意識していました。(得点シーンは)自分であれだけ引きつけていたんで、ドフリーの選手が見えた」。そのフリーの選手を見事に活用して値千金の1点をもたらした。

 立ち上がりからドリブルで魅せてシュートを打ち込み、ゴールを演出。その一方で後半は苦しい時間帯が続く中、ハードワークを欠かさず、ボールが入れば味方のために時間をつくった。昨年、U-17北信越トレセンメンバーに選ばれ、国体石川県選抜を全国8強へ導いている実力者は新チームで自ら主将に立候補。個性的なプレーヤーは主将になったことでわがままな部分をなくし、チームのためにできることを考えて、周囲からの信頼を高めてきた。その主将について赤地信彦監督は「アイツが成長しました。本当に今年は、大人になりました」。この日は「みんな(疲れで)足には来ていたんですけど、精神的には星稜を上回っていた」というチームを声とプレーでサポート。80分間チームを引っ張って初優勝へ導いた。

 DFの間を巧みに突くドリブルと昨年の国体で静岡県選抜から2得点を奪うなどシュートも武器としている。本人は代表クラスの選手たちと比べて、自分が劣っているとは感じていない。「自分は(チームで)全国とか行っていなくて見られていなかったんで、ここで見せてプロ入りとかしたい。能力的には全然、代表の選手とか上回っていると思っている。それを証明したい」と言い切った。憧れは元イタリア代表の“ファンタジスタ”ロベルト・バッジオ。「日本を代表するファンタジスタになりたいですね」と目標を掲げるMFが、石川MVPプレーヤーとして、鵬学園のチームメートたちとともに全国高校選手権に初挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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