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[選手権予選]開始17分で3得点! 東海大仰星が阪南大高下して4年ぶりV:大阪

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[11.19 全国高校選手権大阪府予選決勝 阪南大高 2-3 東海大仰星高 ヤンマー]

 第95回全国高校サッカー選手権大阪府予選決勝が19日、ヤンマースタジアム長居で行われ、昨年度の代表校・阪南大高と夏の近畿高校選手権王者の東海大仰星高が対戦。MF見野龍太郎が2点を奪うなど、開始17分で3点をマークした東海大仰星が3-2で勝利し、4年ぶり5回目での選手権出場を決めた。

 序盤に主導権を握ったのは東海大仰星だった。開始直後からサイドを攻略すると、左からはDF面矢行斗が、右からはDF大東史明がゴール前目掛けてロングスローを放り込み、阪南大高を押し込んだ。7分にはDFの背後を突かれ、MF渡辺滉大にフリーでシュートを打たれるピンチもあったが、クロスバーに助けられるなど運も味方にし、試合を進めていく。
 
 東海大仰星に訪れた最初の決定機は前半13分。右サイドからMF松井修二が上げたクロスを見野が頭で合わせて先制に成功すると、直後の15分にも左から上がったロングスローに見野がジャンプで反応。競り合ったこぼれ球がゴール前のFW藤山海星に渡ると、これを藤山が冷静に押し込んで点差を広げた。さらに17分には右サイドを攻め上がった大東のクロスを見野が頭で合わせて、一気に3点差まで突き放した。

 序盤は東海大仰星のパワーに押された阪南大高だったが、前半20分を過ぎたところで早くもMF岩丸翼、FW稲森文哉を投入して軌道修正。持ち味である丁寧なパス回しを取り戻し、「アタッカー陣の質は今年の大阪でトップクラス」(東海大仰星・中務雅之監督)という阪南大高の攻撃力を見せ始める。東海大仰星が「3点獲ったことで引いてしまった」(GK宮本一郎)ことも相まって、阪南大高が攻勢を強めると35分には左CKからゴール前の渡辺がヘッドで合わせたこぼれ球をFW木戸口蒼大が押し込んだ。38分にも再び左CKを獲得。ゴール前に上げたボールは一度、相手DFに跳ね返されたが、MF宮崎空翔がゴール前に入れ直し、DF吉田伸弘が頭で落とした所を木戸口が左足で押し込んだ。

 後半に入ってからは1点差に詰め寄った阪南大高のペースに。ボランチ・藤本悠太郎の左足キックを起点にサイドを仕掛けて、クロスとカットインから見せ場を作ったが、同点弾は生まれない。耐える時間が続いた東海大仰星も後半19分に右CKからDF玄尚悟がクロスバー直撃のヘディングシュートを放つなど一発を狙ったが、ゴールネットを揺らせない。両チームともに最後までゴールを狙ったが後半はスコアが動かずそのままタイムアップ。前半のリードを保った東海大仰星が3-2で勝利し、選手権行きの切符を手にした。

 今年、東海大仰星が手にしたタイトルは近畿高校選手権、大阪府1部リーグに続き、今回の選手権予選で3つめ。充実したシーズンを過ごしているが、スタート時は決して順調とは言えなかった。新チーム結成直後に行った大阪府1部リーグの試合では阪南大高のBチームに0-4で大敗。屈辱とも言える結果を受けて、「一人ひとり責任を持って、『やってやろう』という気持ちになった」(松井)。練習への姿勢と学校生活を見直した結果、府総体のベスト16では阪南大高に1-0で勝利し、リベンジに成功。決勝リーグ(ベスト4)では3位に終わり、全国総体出場を逃したものの、「阪南大高に勝てたことで自信がついた」(松井)チームは、直後の近畿高校選手権を制して、上昇気流に乗っていく。

 秋以降は、夏の合宿で走り込んだことにより、チーム全体の運動量が増加。前線からの守備が機能し、失点数も減っていった。悔しい結果からスタートした一年ではあったが、日に日に選手たちが逞しくなった結果が4年ぶりに晴れ舞台へと繋がった。試合後、中務監督は「インターハイで上手く行かなかった部分を自分たちで振り返り、選手権予選に繋げることができた。この年代は学校生活や恋愛など色んなストレスがあると思うけど、常に自分たちを見つめなおすことができた結果だと思う」と成長を遂げた選手たちを称賛。今回の勝利によってさらに逞しくなった選手たちが全国で見せる戦いに期待を寄せた。

(取材・文 森田将義)
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