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「ゴロでも入るかなと」18年ぶり8強決めた佐野日大FW長崎の技ありPK

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2シャドーの一角を担う佐野日大FW長崎達也はPK戦で5人目を務めた

[1.3 全国高校選手権3回戦 一条高2-2(PK3-4)佐野日大高 駒沢]

 決めれば勝ちの場面でも落ち着いていた。PK3-3で迎えた後攻5人目。佐野日大高(栃木)のキッカーを務めたFW長崎達也(3年)は冷静にGKのタイミングをずらしてゴール右隅に流し込んだ。

「一回止まったらGKが動いたので、そこで重心が動いた。そうすれば向こうの対応は遅れるのでゴロでも入るかなと思った」。GKが飛んだコースは合っていた。しかし、完全にタイミングを外されたことで、ボールは指先を抜け、ゴールマウスに吸い込まれた。

 試合終了間際の後半39分に失点するなど、2度のリードを追いつかれて突入したPK戦。嫌な流れにもかかわらず、「チームみんなに追いつかれて落ち込んでいる感じはなかった。(中村)一貴が昨日から当たっていたし、PKでも勝てるだろうと」と、ネガティブな空気はなかったという。GK中村一貴(3年)に対する安心感。それはPK戦で一条の2人目、4人目を立て続けにストップしたことで“実証”された。

 だからこそ、決めれば勝利、外せばサドンデスというプレッシャーのかかる状況でも長崎は平常心を保つことができた。「これが最後という意識はあったけど、GKが止めてくれていたので、そこまで緊張せず、いつもどおり蹴れた」。GKとフィールド選手の信頼関係がもたらした18年ぶりの8強。164cmの小柄な背番号10は「佐野日大の歴史で過去最高のところに並んだ。次はそれを超えられるように頑張りたい」と、同校初のベスト4進出を誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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