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“前哨戦”勝利!東海大仰星はサッカー部も強い「ラグビー部には負けられない」

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東福岡を破る番狂わせを演じた東海大仰星

[1.5 全国高校選手権準々決勝 東福岡0-1東海大仰星 等々力]

 東海大仰星はラグビー部ばかりじゃない。東海大仰星高(大阪)は5日、全国高校サッカー選手権の準々決勝で、前年優勝校である東福岡高(福岡)を撃破。タイガー軍団が連覇を目指す赤い彗星の野望を打ち砕いた。

 試合後の場内インタビューで「信じられない」と夢見心地の様子だったMF松井修二(3年)は、多くの報道陣に囲まれた会見場でも「今もまだ実感が沸いていない」と状況を受け入れるのに必死だった。

 奇しくもこの日、同時期に開催されている全国高校ラグビー選手権の準決勝で、大会連覇を目指す東海大仰星は桐蔭学園に29-21で勝利。そしてもう一方の準決勝を制したのが東福岡で、決勝は東海大仰星対東福岡の組み合わせに。サッカー部は前哨戦を制した形になった。

 ただしラグビー部は前年王者で今年度も優勝候補に挙げられている一方、サッカー部の選手権の出場は4年ぶり。ラグビー部は元日本代表の大畑大介氏に代表されるように、名選手を輩出。サッカー部もリオデジャネイロ五輪にオーバーエイジで出場したDF藤春廣輝がいるが、メジャーリーガーの上原浩治投手(カブス)らを輩出した野球部もあり、サッカー部の全国的な知名度は低い。

 だが選手同士は、普段からお互いを意識し、刺激し合える存在であるという。ラグビー部員とはクラスメートの選手が多く、選手同士の仲もいい。主将MF松井修二(3年)とラグビー部の主将である山田生真も同じクラスで、普段から意見交換を絶やさず、刺激し合っていると話す。

「学校生活でもラグビーについて語られたり、逆に僕がサッカー部について話したりというのがある。もっとやらないといけないなというのはラグビー部の話を聞いて伝わるし、ラグビー部には負けられないなと思って全国大会に臨んでいるんです」

 全国チャンピオンになったラグビー部員の姿勢は見習うことも多いと話す。「ラグビー部員は学校生活でも私生活でも気を使っている。学校生活では当たり前にゴミも拾っていますし、挨拶でもどのクラブよりも声がでかい。授業態度もしっかりしているので、そこは見習わないといけないなと思います」。

 サッカー部としては全国王者という肩書を手に入れることで、高校サッカー界にも東海大仰星の名を轟かせたいところ。「東福岡に勝ったからと言って、まだ優勝出来たわけではない」と騒ぎ立てる周囲を落ち着かせるように制した主将は、「さらに自信もつきましたけど、勘違いせずに優勝を目指して頑張りたい」と気合を入れ直した。

(取材・文 児玉幸洋)
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