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5戦2失点でV、青森山田SB小山新「最高の舞台で最高の恩返しができた」

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日本一に輝いた青森山田の右SB小山

[1.9 全国高校選手権決勝 青森山田高5-0前橋育英高 埼玉]

 初戦となった2回戦から決勝までの5試合で失点数はわずかに2。しかし、青森山田高(青森)の右SB小山新(3年)は「本当は無失点でいきたかったのが本音」と言う。決勝・前橋育英高戦では守備に追われる時間が多かったが守備陣を中心に耐えると、これに攻撃陣が応えての5発完封。「攻撃陣が頑張って5点を入れてくれた」と感謝も口にした。

 立ち上がりは慌しいシーンが続いた。中盤で前橋育英高の選手を捉えることはできず、バイタルエリアまで持ち込まれてはピンチを迎えた。それでも小山たち守備陣は声を掛け合い、冷静にピッチ上で改善を重ねた。「立ち上がりは押し込まれる展開になりましたけど、焦ってもしょうがないので。やることを整理しながら、常に声を掛け合いながら改善して、常にラインを高くしてコンパクトに守備することで、相手の攻撃を少しずつ防げていったと思います」と言うとおりだ。

 チームは前半23分に先制したが、その後に冷やりとする場面もあった。1-0の前半26分、自陣PA左での浮き球を頭で処理しようとした小山。後ろからGK廣末陸(3年)の「オッケー」という声が聞こえていたが、既にクリアする体勢に入っていたため、「どうしようかなと思ったけれど、どうしようもできなかった」と避けることはできず。相手FW人見大地(3年)、廣末とともに3人でもつれ合った。それぞれが一瞬痛んだために、心配されたが全員が無傷。小山は「廣末も誰も怪我がなかったし、自分もプレーできたので良かった。あれはしゃーないなという感じでしたね」と苦笑いで振り返る。

 チームは前半を2-0で折り返し、後半には3点を追加。守備陣は大量得点にも気を緩めることなく戦い抜き、完封で試合を締めた。「ディフェンダー陣として、どんなに点数が入ろうとどんな状況になろうと絶対にゴールを決めさせないというのは、4バックとGKの約束だったので。どんな状況でも常に声を掛け合いながら、最後まで集中力を切らさずにできたのは良かった」と胸を張った。

「この舞台に憧れて青森山田という世界に入ってきたので。ここに入れてくれた親や応援してくれる地元の人や、一所懸命頑張ってきた仲間や支えてくれたスタッフに、最高の舞台で最高の恩返しができました」

 今後、小山は関西大へ進学予定。大学でサッカーを続け、4年後のプロ入りを目指す。日本一に立ったSBは「大阪という新しい場所でまたゼロからの新しいスタートになりますが、もう一度今までの経験を活かしながら、大学という舞台でサッカーを頑張っていきたい。小さい頃からの夢なので、プロという道を少しでも可能性がある限り、追いかけていきたいです」と夢追う覚悟をのぞかせた。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 片岡涼)

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