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指揮官も「想定外」初出場の瀬戸内が日本航空を下して4強!!準決勝で流経大柏と対戦へ

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初出場の瀬戸内高がベスト4進出(写真協力・高校サッカー年鑑)

[1.5 選手権準々決勝 瀬戸内高1-0日本航空高 フクアリ]

 第97回全国高校サッカー選手権の準々決勝が5日に行われた。フクダ電子アリーナの第2試合では瀬戸内高(広島)と日本航空高(山梨)が激突し、瀬戸内が1-0で完封勝利。広島県勢のベスト4進出は2008年度大会で優勝した広島皆実高以来10年ぶり、初出場のチームとしては2009年度大会を制した山梨学院高以来9年ぶりの快挙となった。準決勝は12日に埼玉スタジアムで開催され、瀬戸内は流通経済大柏高(千葉)と対戦する。

 立ち上がりにペースを握ったのは、前述の山梨学院以来、県勢9年ぶりの4強入りを狙う日本航空。瀬戸内の安藤正晴監督が「あそこまで前掛かり来られるとは思っていなかった」という激しいプレッシャーで相手を押し込み、スピーディーなパス回しとサイドからの仕掛けでゴールに迫った。

 耐える展開が続いた瀬戸内だったが、攻撃時に独力でボールを前に運べる選手が多く、人に強く行く相手のディフェンスをかわして徐々に好機へとつなげていく。

 前半18分に右サイドバックのDF松崎聖人(2年)がドリブルで駆け上がると、裏のスペースに低いボールを供給。しかし、大外からフリーで走り込んだFW川岸怜央(3年)のシュートは枠を外れた。同27分にはPA内左のFW中川歩夢(2年)がカットインから右足でシュート。これもクロスバーを叩いたが、瀬戸内はハーフタイム直前に均衡を破った。

 前半37分に左サイドのFW川岸怜央(3年)が左足でクロスを送ると、合わせたのはMF吉田寛太(3年)。「絶対にクロスが上がると思っていたので、信じて走ってボールが来たので触るだけでした」。PA内中央で高いジャンプを見せ、飛び出したGKよりも先に頭で触ってゴール右に押し込んだ。

 後半も主将MF佐々木達也(3年)のシュートがクロスバーに当たるなど、序盤はいいリズムで攻め込んでいた瀬戸内。ただ、時間の経過とともに追いかける日本航空がサイド攻撃からチャンスを量産する。

 後半37分には途中出場のMF渡辺脩人(3年)がPA内右から右足でシュート性のボールを蹴り込み、ゴール前にいたDF小田翔大(2年)がフリーで反応。だが、その手前で滑り込んだ味方選手とかぶりそうになったこともあり、右足のシュートは大きくふかしてしまった。

 そのままタイムアップを迎え、リードを守り抜いた瀬戸内が1-0で勝利。初出場ながらベスト4へと駒を進めた。12日の準決勝では前回準優勝の流通経済大柏と対戦。安藤監督は粘り強く守った選手たちを称賛しつつ、「(準決勝のことは)今からちょっと考えたいと思います。自分たちが想定外(笑)」と冗談交じりに語った。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2018

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