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「常に走って走って」ボールに絡み続けた100分間。広島皆実の欠かせない存在、MF杉原優希

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広島皆実高の中盤で欠かせない存在、MF杉原優希(3年=シーガル広島出身)

[11.20 選手権広島県予選決勝 広島国際学院高 1-1(PK1-2)広島皆実高 広島広域公園第一球技場]

 誰よりも走って、誰よりもボールに係わっていた。MF杉原優希(3年=シーガル広島出身)は、今夏により攻撃的なサッカーを目指して“ムービングサッカー”を取り入れた広島皆実高の“心臓”と言える存在。小熊和人監督も「触って、守備でも走って、欠かせないですね」と説明するMFだ。

 ボランチでコンビを組むMF渡部琉(2年)とともに先発で最も小柄な168cm。だが、「全力でやる、と。手を抜かずに最後まで勝利に向かっていくということを自分で決めています。練習と試合は誰よりも走るって、小中で決めていて。それが今の高校での走れることに繋がっている」という杉原はこの日、守備のサポートから攻撃の崩しまで人一倍走り続けていた。

 加えて、光るのは技術力の高さだ。正確にボールを出し入れし、相手のプレッシャーを個でも剥がしてしまう。接戦の展開となる中、後半以降は「自分も積極的に点を獲りに行かないといけない」と高い位置へ幾度も顔を出し、ドリブルで仕掛けてラストパスへ持ち込もうとしていた。

「走れるんで、そこが自分の武器なので、常に走って走って“心臓”ではないんですけれども、チームを下から支えるというか、陰で支える存在になりたい」と杉原。延長後半アディショナルタイムに足を攣らせて交代したことを悔しがったが、それでも印象的な100分間だった。

 小柄なボランチコンビだが、彼らのハードワークと技術力が“ムービングサッカー”の生命線。杉原は全国大会へ向けて「攻撃では常に自分がボールをいっぱい触って、前線の選手に良いボールを供給して、“ムービングサッカー”の起点となれるように。守備では一番の運動量を持って相手の中盤を圧倒できるようにしたい」と意気込んだ。

「皆実の選手はずっと格好良いと思っていて、皆実でサッカーしたいと」憧れ、文武両道も目指して広島皆実へ進学。先輩、同級生の自主練する姿に刺激を受けながら成長し、名門の中心選手となった。そのMFがこの日課題となったフィニッシュの精度をチームメートとともに改善し、憧れのユニフォームをまとって選手権のピッチを駆け抜ける。

(取材・文 吉田太郎)
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