[12.4 高円宮杯プレミアリーグWEST第22節 静岡学園高 1-3 神戸U-18 エスプラットフジスパーク]

　1年後、先輩たちの前で日本一に輝く。ヴィッセル神戸U-18は最終節で静岡学園高に3-1で勝利したものの、首位とわずか得失点3差で2位。優勝してあと1試合、ファイナルまで戦うことを目指していた3年生たちは、ラストゲーム後に涙を流して悔しがった。

　U-17日本代表の2年生右SB本間ジャスティン(ガンバ大阪門真ジュニアユース出身)は、後半立ち上がりに負傷交代したエースFW冨永虹七(3年)を思いやる。「(大量得点が必要だったが、)虹七がいなくなったことがデカくて。代わりに2年生の有末(翔太)が出てきてくれて点も獲って結果も残してくれた。でも、ファイナルに繋げられなかった。虹七が一番悔しいと思うので、この悔しさを受け止めて来年に向かおうと思っています」。そして、来シーズンの優勝を宣言した。

「(来シーズンは)1試合1試合を大切にして、落とさずに、1勝1勝してファイナルまで行って、3年生を全員東京まで呼んで、そこで僕たちが優勝して3年生に思いを伝えたいです」。1試合1試合勝ち点を積み上げて最終節前にリーグ優勝を決め、先輩たちの前でファイナル制覇、日本一を勝ち取る。

　本間にとって先輩たちは、「全員仲良くて、明るくて、自分が悪いプレーした時とかもずっと盛り上げてくれて、ずっとそばにおってくれて、支えてくれたりして最高の3年生です」という存在。その3年生のためにも戦う来季は、自分がチームを引っ張る意気込みだ。

「来年はボクしかヴィッセルを引っ張る人がいないと思うので、ボクが先頭に立ってチームを鼓舞して、チームを盛り上げていきたいと思います」とコメント。そして、「一番は高3になる前にプロ決めたいんですけれども、自分の能力上げて、トップ昇格して、(現)1年とか、同学年が自分に『付いていきたい』と思われる人になって、ボクが引っ張っていきたい」と力を込めた。

　181cm、79kgの恵まれた肉体と抜群のスピードの持ち主。今季のプレミアリーグWESTでは全て頭で7得点を叩き出している。加えて、「縦のスピードと攻守の1対1は絶対に負けない武器」という高速SBは、この日も高打点のヘッドやスピードに乗った攻撃参加、対人守備の強さで相手の応援席も唸らせていた。

　連戦で体力的にも厳しかったこの日は、後半に静岡学園のドリブルに苦戦。トップ昇格、デビューも狙う来年は「試合で1本も抜かれたらダメ」「点を獲れるSBになりたい」「ゼロを当たり前にして攻撃参加できるプレーヤーに」と目標を掲げた。対戦相手を圧倒するような選手になり、神戸U-18の勝利に貢献し続けて1年後、チームメートや先輩たちを笑顔にする。

(取材・文　吉田太郎)

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