[12.29 全国高校選手権1回戦 盛岡商高 2-1 帝京五高 駒場]

　勝負を決める一撃を沈めたのはナンバー10だった。盛岡商高(岩手)FW原田優汰(2年)は「狙っていた形だったので、決めてホッとしている」と振り返った。

　前半はフィニッシュに持ち込む場面が限られ、帝京五高に押し込まれる時間帯も多かった。守備陣が踏ん張って得点を許さずに試合を進めながらも、後半9分に先制点を献上。しかし、ここからが攻撃陣の見せ場となった。

「押される場面が多かったけど、それでも守備の人たちがしっかり対応してくれた。やられる場面も少なく、1失点に抑えたのがデカかった」

　後半15分にDF宮部賢治郎(2年)が送ったクロスに原田が飛び込み、相手選手の注意を引き付けると、ファーサイドでフリーになったMF月折隼斗(3年)が豪快に蹴り込んで同点に。そして、同23分には月折のラストパスに反応した原田が左足で押し込んで決勝点となるゴールを記録した。

「月折くんがうまく収めてくれて、自分は当てるだけだったので、月折くんに感謝したい。あそこに打ってくれたおかげで、自分も走れたし、たまたまと言えばたまたまかもしれないけど、あそこにくると思っていた」。発揮された得点嗅覚。中田洋介監督も「ゴール前に行く嗅覚はあると思うので、県大会決勝(2得点)もそうだけど、持っていると思う」と称賛を惜しまなかった。

　2年生ながらも10番を託されたことには、「あまりプレッシャーは感じていない」ようで、「しっかり走れて守備もし、自分の点でチームを勝たせられる選手」と理想を挙げながらも、「自分なりの10番を見せていくだけ」と続ける。次戦では強豪・履正社と対戦。再び自身のゴールで勝利を呼び込みたい。

(取材・文　折戸岳彦)

---

▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022