[12.31 選手権2回戦 丸岡高 0-2 日体大柏高 柏の葉]

　初出場校と33回目の常連校という、対象的な組み合わせとなった一戦は、前後半に1点ずつを重ねた日体大柏高(千葉)が、初めての選手権で3回戦進出を決めた。

　初出場同士が激突した1回戦で、芦屋学園高(兵庫)を3-1で退けていた日体大柏は、初戦と同じイレブンでスタート。芦屋学園戦で得点を挙げたFW古谷柊介(3年)、FW平野伶(3年)、FW吉田眞翔(3年)に、柏レイソル内定のFWオウイエ・ウイリアム(3年)を加えた4枚の強力な攻撃陣を携える。

　一方、29日の高知高(高知)戦を1-1からのPK戦で勝ち上がった丸岡高(福井)は、高知戦に途中出場していたMF名倉洸悠(3年)とMF奥村洋武(2年)に起用した。序盤は個人技に優れる日体大柏の前線4枚に対し、タイトな守備でチャンスをつくらせることなく推移していく。

　それでも徐々に攻撃の形をつくれてきた日体大柏は、前半19分に中央のオウイエが左サイドに開いていた吉田に展開。吉田の横パスに古谷はシュートを打ち切ることはできなかったが、流れたボールを平野が左足で狙う。しかし、丸岡守備陣が枠まで飛ばさせなかった。その直後には、MF相原大翔(3年)の浮き球を古谷が処理してシュートまで持ち込んだが、DF渡辺颯生(3年)に右足でブロックされてしまう。

　そして、同22分、丸岡の左CKをGK原田眞透(2年)がパンチングでしのぐと、「狙っていた」(根引謙介監督)というカウンターに出る。セカンドボールに反応したMF植木笙悟(3年)が前線に大きく蹴り出すと、これをペナルティエリアの外でクリアしようとしていたGK清水唯太(2年)が後逸してしまう。「絶対にいけると思ったので、スピードを振り絞ってがんばりました」という古谷が後ろから追い越すと、無人のゴールに流し込んだ。

　反撃に出たい丸岡だが、最前線の吉田とオウイエに早めに入れてくる日体大柏の攻撃に手をやいた。数的不利でも日体大柏の2トップはボールをおさめてしまった。「自分たちが真ん中でキープしてからサイドに打ち出してクロスから入っていくのが良い形で何度もあった」と吉田は攻撃面で手応えがあったことを口にする。後半19分には吉田のポストプレーからオウイエ、古谷とつながり、古谷がGKとの1対1を迎えたが、GK清水のビッグセーブにあってしまう。

　ピンチの後にはチャンスあり。後半23分には丸岡に定機が訪れる。初戦でゴールを決めていたFW小関晴人(3年)が、FW伊藤大貴(3年)とのパス交換からシュートを放ったが、植木が足を出してシュートはゴールマウスをとらえることはできなかった。

　後半37分には、途中出場のMF片野拓久(2年)がクリアミスを拾うと、右足を一閃。リードを2点に広げて、試合を決定づけた。

　勝利をおさめた主将の吉田は、1回戦より内容がよかったことについて「無失点で抑えられたこと」と、守備陣の踏ん張りにも言及。根引監督も「最終ラインだけじゃなく、チーム全体としてしっかりやってくれたと思う」と手応えを感じつつ、2回戦突破を決めた。
(取材・文　奥山典幸)

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