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8、9月の連敗をきっかけに「色々なことが出来るチームになった」秋田商は雨中の決勝で敗戦。1年後、必ず47回目の選手権へ

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名門・秋田商高は1年後に必ずリベンジする

[10.21 選手権秋田県予選決勝 明桜高 2-0 秋田商高 ソユスタ]

 近年、台頭を続ける明桜高との決勝は3年連続。過去2大会は1勝1敗だっただけに、秋田商高の小林克監督は「2勝1敗にしたかった」と首を振る。ショートパスを繋いで崩す戦いに取り組んできたが、大雨の影響でグラウンダーのパスは数mで止まってしまうような状況。立ち上がりからDF背後への攻撃を徹底した明桜高に上回られてしまう。

 開始4分、相手シュートをブロックしたものの、GK前で止まったボールを押し込まれて失点。クリアもままならない状況でその後も連続攻撃を受けてしまう。徐々にDF木内翼主将(3年)らDFラインが背後へのボールに落ち着いて対応。セットプレーを与えても確実に弾き返すなど、1点差を継続する。

 だが、36分、「警戒していた」(小林監督)という明桜MF中山煌斗(3年)にCKを直接決められて0-2。同点、もしくは1点ビハインドで前半を終えることを目指していたが、0-2で折り返すことになった。

 チームは8月の秋田U-18 2nd戦で県1部リーグ初黒星を喫してから3連敗。だが、「内容は悪くなかった。ここから一つにまとまって、色々なことが出来るチームになったと思います」(小林監督)という秋田商は、上り調子で来ていた。今大会は準々決勝で秋田南高を4-0で撃破。準決勝ではインターハイ予選で敗れている宿敵・西目高に3-1でリベンジしている。

 この日も2点を追う後半にエースFW泉海斗(3年)がマークを外して前進し、交代出場のMF後藤楓太(3年)が技術力を活かしてゴールへ迫った。環境が良ければ、また違う結果になったかもしれない。だが、「明桜さんの守備が堅かったです」(小林監督)。悪コンディションへの対応力の必要性などを再確認する敗戦となった。

 昨年の新人戦と今年の県1部リーグが2位でインターハイ予選が3位。タイトルを勝ち取ることができなかった。ただし、敗戦後のスタンドからは「雨の中、良く頑張ったぞ!!」の声。この日先発した長身左WB塩寺大翔(2年)や右WB籾山怜央(2年)、MF塩遥音(2年)らが来年、「追いかける立場」としてライバル以上の日常を過ごし、1年後に必ず47回目の選手権出場を果たす。
 
(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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