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[選手権]プリンス北海道得点王の欠場を感じさせない4発快勝劇、北海が3年連続の全国へ王手:北海道

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後半16分、MF成澤晏士(3年)が3-0とするゴールを決めた

[10.28 選手権北海道予選準決勝 北海4-0札幌創成 札幌厚別]

 第102回全国高校サッカー選手権大会北海道大会の準決勝が28日に札幌厚別公園競技場で行われ、第二試合では北海高札幌創成高を4-0で下した。11月12日に札幌ドームで行う決勝では、旭川実高と対戦する。

 今季の北海はプリンスリーグ北海道で無敗優勝(11勝3分)を達成。12月に行われる参入戦で初のプレミアリーグ昇格を目指すことが決まっている。しかしこの日はプリンスリーグで18得点を決めて得点王に輝いたFW野村光希(3年)が、ベンチ入りはしたものの、コンディション不良で欠場。底力が試されていた。

 ただ試合はそんな心配が無用なほど、北海が終始、ペースを握りながら進めた。まずは前半12分にロングスローの流れからゴール前で混戦を作ると、MF中村心(3年)のヘッドはクロスバーに当たったが、跳ね返りにFW野村光希(2年)が反応。シュートはGK渡辺嵩来(3年)の好セーブに阻まれたが、こぼれ球を頭で押し込んで先制に成功する。普段は途中出場でリズムを変える2年生が、チーム得点王の代わりを見事に果たす先制点を決めた。

 このゴールでさらに戦い方が安定した北海は、前半36分に右サイドでボールを持ったFW田中準人(3年)が2人をかわしてエリア内に侵入すると、左足を一閃。鮮やかなカットインからのシュートを突き刺して、前半のうちにリードを2点に広げた。

 前半38分の田中のヒールでの落としからDF栗塚勇丞(3年)が放ったシュートは決め切ることが出来なかったが、後半16分に中盤でボールを奪った栗塚の浮き球パスに反応した中村のマイナスのボールに走り込んだMF成澤晏士(3年)が左足で流し込んで3点目。そして終了間際の同34分には中盤で囲んでボールを奪うと、FW輪島丞(2年)のお膳立てからMF西脇雄太(2年)がダメを押し、快勝劇を締めくくった。

 奇しくもエースの不在が、チームを団結させていた。田中が「いつも野村に助けられていることが多いけど、野村がいなくても勝てるんだ、俺が勝たせるという思いで全員が戦えたと思います」と話せば、島谷制勝監督も「子供たちが危機感を持って、ひとつにまとまって戦ってくれた」とにんまりとする。

 3連覇へあと一勝と迫った。ただ島谷監督は、年ごとのチームが出す結果の積み重ねであって、連覇を意識することの意味のなさを強調する。あくまでも今年の優勝だけを目指す。「(決勝の相手の旭川)実業さんはプレミアで手堅いサッカーを身に着けた。間違いなく挑戦させてもらう立場なので、チャレンジさせてもらいたい」と謙虚に話しながらも、手ごたえを感じさせていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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