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[選手権]済美が松山北を下して12年ぶり全国に王手! 元Jリーガー・渡邊一仁監督は決勝へ「本質で上回りたい」:愛媛

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済美高が愛媛県予選決勝へ

[11.3 選手権愛媛県予選準決勝 松山北高 1-1(PK2-4)済美高 グリーンフィールド新居浜]

 12年ぶり5度目の選手権まで残り1勝となった。済美高は準決勝で松山北高と対戦。先制を許したが、後半31分に追いつき、PK戦で勝利。3年ぶりの決勝で今治東中等教育学校と対戦する。

 松山北は4-4-2の布陣でGKは住田翔(2年)、4バックは左からDF末光瑛翔(1年)、DF亀山拓豊(2年)、DF落合陽(2年)、DF藤田隼輔(3年)。ボランチ2人はMF森隼人(2年)とMF松永悠吾(1年)で、左サイドはMF川口絢三(1年)、右サイドはDF吉田優樹(3年)。前線にFW島田悠久(3年)とFW清水惺弥(2年)が入った。

 済美も4-4-2の布陣を敷く。GKは川越幹太(3年)で4バックは左からDF垣添光(1年)、DF清水喜生(2年)、DF岡田蓮(2年)、DF山口絞生(3年)。中盤はボランチ2人はMF隅田幸輝(2年)とMF深見月哉(2年)で、左サイドがMF沖宮駿(2年)、右サイドがFW本田蒼(2年)。前線はFW兵頭陸(2年)とFW谷野陽香(3年)が起用された。

 前半は松山北がペースを握る。右サイドの吉田と藤田が推進力を発揮し、済美の陣地に迫っていく。すると、前半32分に先制。左CKを亀山が蹴り、ファーサイドの吉田がダイレクトで押し込む。セットプレーでゴールを奪った。

 先制した松山は守備でも集中力を見せる。さらに、シュートを打たれてもGK住田の好セーブでピンチを切り抜ける。前半はそのまま1-0で折り返した。

 1点を追いかける済美は徐々に攻勢を強める。右サイドから敵陣に入り込み、本田がチャンスを作っていった。松山北の守備陣を突破するべく、ボール保持の時間が続く。そして後半32分に待望の同点ゴールを挙げる。

 済美は右サイドの本田が起点を作り、左足のインスイングキックで敵陣PA内にボールを入れる。相手選手のクリアを深見が胸トラップで収め、PA左にパス。最後は谷野が左足で押し込み、1-1と試合を振り出しに戻した。

 試合は1-1のまま80分で決着つかず、延長戦に突入する。しかしそのままスコアは動くことなく、勝敗はPK戦に委ねられた。先攻・済美の1人目を松山北GK住田が防ぐと、後攻・松山北の1人目を済美GK川越が阻む。その後も息をのむ展開が続くが、松山北の4人目を再びGK川越がセーブした。

 済美の5人目、深見が冷静に決め切り、試合は終了。済美がPK戦を4-2で制し、12日の決勝に駒を進めた。

 済美を率いるのは同校OBで、2020シーズンに愛媛FCで現役を終えた渡邊一仁監督だ。粘り強い守備が売りのチームで「先制されたのがひさびさ」と試合を振り返りながら、「よくあの時間帯で追いついた。バタバタしなかったのはすごくよかった」と選手たちを称えた。

 渡邊監督は現役引退後、21年に済美でコーチに就任し、サッカー指導者キャリアをスタートさせた。12日の決勝で対する今治東中等教育学校には縁を感じているという。「今治東さんはすごく楽しみ。指導者になって一番最初に甘くないよと言われたような経験をしたのが、(今治東・監督の)谷(謙吾)先生だった」。21年度の総体県予選2回戦で、今治東に0-2と敗れていた。

 因縁の相手には「本質で上回りたい」と渡邊監督。「挑戦者なので、相手より走って、相手より頭を動かす。その精度をもう一週間で高めるために準備をするだけ」。接戦で手にした勢いに乗り、自身が済美高3年時に初めて掴んだ全国切符を再びもたらすつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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