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[選手権]終了間際のPKを決められず…大津は初戦で散る

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[12.30 全国高校選手権1回戦 駒澤大高2-1大津 国立]

 08年度大会など3度のベスト8の実績を誇る大津(熊本)が初戦で散った。1-2で迎えた後半40分、PA内に抜け出したMF車屋紳太郎(3年)がDFに倒され、PKを獲得。同点に追い付く絶好のチャンスだったが、DF藤本貴士主将(3年)のキックは相手GKのセーブに阻まれた。

 「試合前にピッチを確認したとき、国立の芝が思ったよりも深くて、普段は取り替え式のスパイクをめったに履かないけど、今日は取り替え式にして……。でも、それは言い訳にならない。僕の練習不足です」

 熊本県大会決勝のルーテル学院戦。0-1で迎えた後半29分に藤本のPKで追い付き、延長戦の末、2-1で全国切符を手にした。「県大会決勝のことが一瞬、頭をよぎった」と、その再現を狙ったが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

 国立競技場の独特な雰囲気が、大津の選手の足を鈍らせた。「国立の舞台のプレッシャーをものすごく感じた。開幕戦で試合をするというのが決まってから、そこまで過緊張になることはなかったけど、いざピッチに立ったら違った。試合を楽しむという意識にいく前に、周りのプレッシャーにのまれた」。藤本はそう唇をかんだ。

 「力を出し切れなかったことに悔いは残るけど、もう終わってしまったことなので。後輩に望みを託して、頑張ってほしい」。過去最高のベスト4を目指した戦いは、まさかの初戦敗退に終わった。果たせなかった夢は、この日の先発11人のうち5人を占めた1、2年生たちに引き継がれる。

[写真]まさかの初戦敗退に泣き崩れる大津MF中村次郎(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)


【特設】高校選手権2010

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