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[選手権]宮市、1ゴール1アシストも敗退。「この負けを生かして次のステージでは勝つ」

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[12.31 全国高校選手権1回戦 中京大中京2-4久御山 ニッパ球]

 試合後も主将として、気高くふるまった。下を向く仲間たちを促して率い、一般観客、声援を送ってくれた応援団の前に挨拶に出向いた。試合には負けたが、中京大中京のFW宮市亮(3年)は行動も“普通の高校生”とは違う一面を見せた。

「3年生の最後の試合で悲しいです。次のステージでやっていくには、ストライカーとして、決めるところで決めていかないといけない。大事な試合で決定力を発揮できないのでは、まだまだ。今後の課題です」

 反省ばかりを口にしたが、プレーも“世界の片鱗”は見せた。1月からアーセナルへの加入内定が決まり、観客8000人の大半が「実際に、どれだけできるんだ?」と注目していたが、1ゴール1アシストという数字のほか、記憶に残るプレーを残した。

 前半10分、3トップの左に入ったエースは自慢の快足ドリブルで突破を図ると、中央への絶妙クロスでFW竹野雄輝(3年)の先制弾をアシストした。そして1-1の前半20分には再び左サイドからドリブルで切れ込み、ワンツーでDFラインの裏を取って、勝ち越しゴールを決めた。世界が認めた50m走5秒6のスピード、ボールコントロールを披露した。

「アシストは、突破した後、いい形で中に出せた。良く合わせてくれた。ゴールはいいパスが来たので、あとは決めるだけでした。突破力が自分の売りですが、もっと決定力を上げないといけない。きょうも後半、2回くらい決定機があったけど外した。世界に出たら通用しないと思った」

 本人は2-2の後半6分に相手のバックパスミスを拾ってGKと1対1になった場面、そして同8分に斜めのパスから裏に抜け出しGKと1対1になった場面と、いずれもシュートを外しており、反省ばかりを口にした。たしかに、これを決めていれば勝てていた可能性が高いだけに悔やまれる。とはいえ、求めるレベルが高いからこその課題ともいえる。

「この負けを生かして次のステージでは勝つ。世界で活躍したい。Cロナウドに例えられてる? いい選手だと思うので、一歩でも近づけるように頑張っていきたい」と宮市。アーセナルではR・マドリーでポルトガル代表のC・ロナウドに似たプレイヤーとして紹介されているが、この悔しさを肥やしに、世界で活躍できる選手に成長するつもりだ。

[写真]1ゴール1アシストと結果は残した宮市(左)。この悔しさをさらなる飛躍に活かす
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 近藤安弘)

【特設】高校選手権2010

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