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[大学選手権]堅守も光った関東1部3連覇、専修大のU-20代表GK福島「日本一になりたい」

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[12.7 練習試合 全日本大学選抜2-2関東大学選抜候補 味スタ西]

 関東大学リーグ1部で92~94年の筑波大以来となる3連覇を達成した専修大の全日本大学選抜GK福島春樹(2年=静岡学園高)が、14日に開幕する全日本大学選手権での日本一獲得を誓った。ドイツ・ケルン入りも噂されるMF長澤和輝やMF下田北斗、FW仲川輝人らが繰り出す攻撃は関東1部22試合で54ゴールを叩き出し、得点数2位の順天堂大に15得点差をつけるほどの破壊力。これまではその攻撃陣に目が行きがちで、守備面はむしろ不安材料に挙げられてきたが、リーグ最少失点数の24失点と堅守を見せた。

 福島は「何だかんだ言ってリーグ最少失点。攻撃があれだけ凄いのでついていけていない部分はあると思うんですけど、他の大学と遜色なくレベルの高さでできているのかなと思っている。(自分自身も)リーグ戦を振り返ってみたら、シュートブロックに関して納得できる試合は多かったと思います。貢献はしたと思います」と胸を張る。攻める時間が長かったとは言え、CBにけが人が続出する中で成し遂げた最少失点。DF陣の踏ん張りももちろんだが、毎試合のようにビッグセーブを連発する福島なくしてこれは達成できなかった。

 静岡学園高(静岡)時代に11年全国高校総体準優勝を経験している福島だが、高校時代は年代別代表に縁がなかった。ただ専大では1年から守護神の座を奪取。まだまだミスも見られるが、その鋭いシュートストップで何度もチームを救い、飛距離、精度のある左足キックなどそのプレーを評価されてU-20日本代表や全日本大学選抜に選出されている。「中学までちゃんとした練習をしていなくて、高校から本格的に始めたので、色に染まっていなくて吸収していくのが早いのかなと。(現在の評価は)その中で教えられたことをコツコツためていった結果だと思う。(そして)国際試合とか経験して、自分の余裕が生まれたというか視野が広がった。気持ちの部分でだいぶ余裕が持てるようになりました。出足とかも早くなっていると思うので、(今年2度退場しているが)もう退場はしないと思います」と笑った。

 全日本大学選抜の先発GKとして練習試合に出場したこの日、安定したシュートストップとクロスの対応、そしてもうひとつの大きな武器である大声でのコーチングを披露。FKから1失点したものの、交代した後半22分までリードを守り、役割を果たした。その福島を神川明彦監督(明治大)も全日本大学選抜の守備の柱として期待している。
 
 全日本選抜の合宿は8日まで。この後は再びチームでの勝利を目指していく。3連覇の快挙を成し遂げた関東1部リーグについて「自分では(入学してから関東では)優勝しか経験していないので実感がないんですけど、1試合1試合勝ってきたことは次につながるし、勝てるメンタリティーがボクらにはあると思う」と言い切った福島。14日に開幕する全日本大学選手権には関東王者として、優勝候補筆頭として臨む。「(自分の好守を)出さずに勝ちたい。攻められずに一個前のところで抑えたい」という福島は「自分は(個人的に)日本一にまだなっていない。日本一になりたいというのが正直な気持ちです」と力を込めた。年代別代表、全日本大学選抜で自信を増した守護神擁する専大が、堅守も発揮して日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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