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[大学選手権]これぞ全国トップクラス!!阪南大が慶大圧倒の3発完勝

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[12.14 大学選手権2回戦 慶應大0-3阪南大 BMWス]

 全日本大学選手権の2回戦が14日に各地で行われた。BMWスタジアム平塚の第2試合では阪南大(関西1)と慶應義塾大(プレーオフ枠)が対戦し、阪南大がFW河田篤秀(4年=阪南大高)の2得点の活躍などで、3-0で勝利した。2年ぶりに関西リーグを制覇し、勢いに乗る阪南大が圧倒的な力をみせつけ、準々決勝へ駒を進めた。3年ぶりの全日本大学選手権出場を果たした慶大だったが、8強入りは叶わなかった。

 試合後、慶應大の須田芳正監督は「レベルがうちよりも一回り上だった。個人の技術や体力、戦術理解を含めて、このチームが全国のトップクラス」と舌を巻いた。敵将にそう言わしめるほど、この日の阪南大のレベルは群を抜いていた。

 試合は開始3分に早くも動く。ドリブルで仕掛けようとした河田がDF望月大知(2年=静岡学園高)に倒されて、FKを獲得。PA手前正面から河田が右足で蹴りこんだボールはゴールネットへ吸い込まれた。幸先よく先制点を奪った阪南大は、その後も慶大を圧倒した。

 5-4-1システムの慶大に対して、サイドの高い位置を狙っての攻撃を徹底。阪南大の須佐徹太郎監督が「(慶大の)5バックは予測していた。両側が上がった3枚の横を突けるから。うちがロングボールが多かったのはそういう狙い。いいところにボールを落とせていた」と振り返ったとおり、慶大のサイドが手薄になったのを見逃さず、縦への素早い攻撃を繰り出した。FW多木理音(4年=神戸U-18)が184cmの身体を活かした迫力ある突破で仕掛ければ、河田が持ち前の技術で守備陣を翻弄。細かいパスワークで敵陣を切り裂いた。

 すると前半27分には鮮やかなパス交換から追加点。ドリブルで中央から持ち込んだDF成田恭輔(4年=清水ユース)が左サイドの多木へパス。DFを振り切りながら、大きく逆サイドへ展開すると、PA右へ走りこんできた河田が右足シュート。河田のこの日2点目で、早くも2-0と差を広げた。その後は得点は生まれずに前半を折り返す。

 迎えた後半。慶大はMF端山豪(3年=東京Vユース)に代えて、MF小林剛(4年=鎌倉高)を投入。さらに3バックの右を務めていたDF宮地元貴(2年=東京Vユース)を前線へ上げ、須田監督は前からプレスをかけるよう指示した。

 流れを変えたい慶大だったが、阪南大が再びゴールネットを揺らす。後半5分、左サイドから攻め込むとDF甲斐健太郎(2年=立正大淞南高)が頭で落としたボールを多木が拾ってドリブルで仕掛ける。ラストパスを受けたMF脇坂泰斗(1年=川崎F U-18)が左足で浮かせたシュートを決め、3-0と試合を決定付けた。

 3失点目を喫した慶大は、後半8分に前線へ上がった宮地に代わって、FW平戸奨眞(4年=暁星高)を投入する。MF川田悠介(4年=桐蔭学園高)が左サイドから果敢に仕掛けるが、なかなかシュートまで持ち込むことはできない。同15分には川田の左CKからDF久保飛翔(3年=済美高)がヘディングシュートを放つも、ポスト左へ外れた。

 3点リードを奪った阪南大は同26分には多木、同36分には河田を交代。中1日で迎える連戦へ備えた采配をみせる。その後も押し込む阪南大だったが、追加点はならず。カウンターから脇坂が仕掛け、最後はこぼれを拾ったMF重廣卓也(1年=広島皆実高)がシュートを打つもGK峯達也(4年=桐光学園高)に止められた。試合は3-0のまま終了。阪南大が8強入りを果たした。

 圧巻の力で優勝候補筆頭としての試合をみせつけた阪南大。しかし須佐監督は「使っていない選手がまだ3人いますから」と余裕のコメント。「とにかく先制点がラッキーだった」と試合を振り返った。

 関西リーグ優勝決定後のリーグ戦では2戦連続のドロー。びわこ成蹊スポーツ大戦(2-2)、関西学院大戦(4-4)と勝ちきれない試合が続き、嫌な流れのまま全国の舞台を迎えたが、3-0の完封勝利で初のインカレ制覇へ好発進を果たした。2回戦は中2日で迎える16日に行われ、阪南大は早稲田大(関東4)と対戦する。

(取材・文 片岡涼)
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