[12.12 全日本大学選手権(インカレ)準々決勝 明治大1-2大阪体育大 町田]

　粘り強い全員守備が見る者を虜にする。大阪体育大(関西3)が夏の総理大臣杯優勝校・明治大を撃破。背番号10を背負うMF池上丈二(4年=青森山田高)は「全員がチャレンジャー精神で戦った。立ち上がりも押し込まれるシーンがあったけど、全員で耐えたらチャンスは来ると分かっていた」と自分たちのサッカーに自信をにじませる。身体を寄せた献身的な守備で攻め込まれる時間を凌ぎ、流れを引き寄せた。

「自分たちは泥臭くやるのが持ち味。明治大みたいにうまい選手はいないし、うまくないっていうのは全員が分かってる。球際でファイトして1本2本とチャンスをつくって、それが勝ちにつながった」

　明治大対策がハマった。裏を狙ったカウンターから2得点。「中1日の練習で相手の裏、サイドのスペースを狙うのを意識した。そこを徹底してやった結果」。1ー0で迎えた前半30分に2戦連続となるゴールを記録。「(池上)丈二さんの声が聞こえた」と声を出してFW古城優(2年=堺西高)からの横パスを呼び込み、右足で力強く叩き込んだ。

「自分が決めるイメージを持っていたので、決められて良かった」と安堵の表情。前半までは2回戦と同じく2ー0で優位に進めたが、後半4分に失点。耐える展開となったが、そこから崩れはしなかった。「全員で声を出して、90分が終わるまで集中して守った」。高い守備意識で激しい球際の攻防に勝ち、最小失点で逃げ切った。

　第62回大会以来、3年ぶりの優勝を総監督に捧げたい。44年に渡って指導してきた坂本康博総監督が今季限りで勇退。「監督を送り出す一番のプレゼントが優勝だと思うので、そこを目指して目の前の1戦1戦を戦っていきたい」。

　日本一まであと2勝。15日の準決勝は日本体育大との“体育大”対決だ。「負けられない戦いが続く。この2日間でしっかりとコンディションを整えたい」。王者を叩いて勢いに乗る西の体育大が、がむしゃらに勝ちにいく。

(取材・文　佐藤亜希子)

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●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集