beacon

天皇杯準Vは「悔しい」東京国際大の柏内定MF熊坂光希は大学最後の舞台で「有終の美を飾りたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

東京国際大MF熊坂光希(4年=柏U-18/柏内定)

[12.10 インカレ2回戦 東京国際大 3-1(延長)大阪学院大 三ツ沢公園陸上競技場]

 卒業後は柏レイソルへ。だがその前に大学で頂点に立つ。東京国際大MF熊坂光希(4年=柏U-18/柏内定)はフル出場で安定感を発揮。自らのパスで決勝ゴールを演出した。

 東国大は前半7分にDF平川周汰(2年=佐賀東高)がセットプレーから得点を挙げ、先制に成功。しかし逆に大阪学院大の攻撃を受ける形となり、苦しい時間が続いた。「試合の運び方が難しくなってしまった。後半もなかなか自分たちの守備がハマらず」(熊坂)。後半35分にはついに同点に追いつかれた。

 1-1のまま試合は延長戦へ。負ければ即引退となる緊張感の中、熊坂は2ボランチの一角で攻守を整える。そして延長前半6分、熊坂が得点を演出。右サイドで縦パスを受けると、相手の激しいプレスを巧みにかわす。ゴールに体を向けながら周囲を見渡してパスを選択。MF依田籟木(3年=山梨学院高)のミドルをお膳立てした。

 ゴールを決めた依田を始め、仲間たちは喜びを爆発させながらスタンドで応援するチームメイトのもとに走っていった。一方、熊坂もついていこうとするが、すぐにスピードダウン。センターサークルまで歩いてMF関本真尋(4年=宇都宮短期大附高)と静かにハイタッチをしていた。「足も攣っていたので(笑)。あっちまで行くのはちょっときついと思いながら、(相手に)始められないように」。頼れるキャプテンは試合終了の笛が鳴るまで気を引き締めていた。

 9日には内定先の柏が天皇杯決勝を戦っていた。自身の試合前日ということもあり、川崎フロンターレとの死闘を終盤だけ観戦。PK戦の末に屈した様子を観て「悔しいですね」と胸中を明かした。

 試合を観ながらイメージしたのは自らのポジションであるボランチでのプレー。「レイソルはしっかり守備を固めてからボールを奪って攻撃していた」。熊坂も185cmという高身長のリーチを生かし、ボール奪取が大きな武器となる。「そういうところで(長所を)発揮したいと思う」と来シーズンに意欲をのぞかせた。

 大院大との試合では「前から守備に行くところで、もっと自分で取れた」と課題を挙げる。優先順位はまず勝つこととしながらも「ギリ合格点」と満足はしていない。2年連続でリーグ戦は2位に終わり、昨年度のインカレは3回戦敗退。「個人のことよりやっぱりチーム。最後に優勝して、有終の美を飾りたい」と意気込みを口にした。

(取材・文 石川祐介)
●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP