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勝利引き寄せた終了間際のPK奪取…今季躍進の流通経済大2年生FW松永颯汰「大舞台で結果を残すことが財産になる」

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流通経済大FW松永颯汰(2年=静岡学園高)

[12.10 インカレ2回戦 流通経済大 2-1 新潟医療福祉大 三ツ沢公園陸上競技場]

 あきらめない気持ちが勝利を生んだ。流通経済大は1-1で迎えた後半アディショナルタイム8分過ぎ、FW松永颯汰(2年=静岡学園高)が敵陣PA内でファウルを受け、PKを獲得。FW宮田和純(4年=FC東京U-18)がPKを沈め、2-1で新潟医療福祉大を破った。松永は「絶対に勝つぞという気持ちが全員あふれていた。そこで自分がPKをもらって、イズくん(宮田和純)が決めて勝ったことはすごく大きい」と喜びを口にした。

 開始早々にキャプテンMF八木滉史(4年=流通経済大柏高)が負傷するというアクシデントに見舞われた流経大。しかし「誰が出ても準備はできているようにしていた」と松永は冷静に試合を運ぶ。それでも後半、前回大会準優勝校の医福大に圧され始めると後半39分に失点。終盤の同点劇から拮抗状態となり、延長戦に突入する空気になっていた。

 だが、流経大はあきらめていなかった。後半アディショナルタイム8分過ぎ、キャプテン八木に代わって出場していたDF光廣健利(2年=広島ユース)が右サイドからPA右に進入。さらにボールを松永が収めると、すかさずゴールを狙う。「目の前に敵がいるのが見えたので、かわしてシュートを打とうというイメージ。ちょうど右足が引っかかったので、完璧というかあの場面でいい取られ方をした」。松永が倒されてPKを奪取。後半終了間際に大きなチャンスを得た。

 自身が得たPKを蹴ろうとも思った。しかし、最上級生の宮田にキッカーを託した。「寮生活でも練習でもずっと引っ張ってくれた。尊敬できる存在。上に連れていってあげたいという気持ちが強い」。キッカーを務めた宮田が確実に決め切り、流経大が勝利を得た。

 高校時代から順調に成長を続けている。松永は静岡学園高で名を馳せ、選手権では優秀選手、日本高校選抜にも選出された。流経大に進学すると、2年目の今シーズンはリーグ戦19試合8ゴール4アシストと頭角を現す。今夏にはU-20関東大学選抜に選ばれると、「2023 SBSカップ国際ユースサッカー」で大会MVPを受賞。U-20全日本大学選抜として挑んだ韓国開催のアジア⼤学サッカートーナメントでは決勝・韓国B戦で決勝ゴールを挙げた。

 着実に実績を残し、自信につなげている。「大舞台で結果を残すことが自分の財産になる」と今年を振り返りつつ、「まだ全然足りない」と意識は高い。課題はボールロストの多さと、単騎での得点力向上だ。「もっと自分が点に絡んだり、チームを勝たせられるような選手になりたい」。今大会での個人のテーマは「特にない」。ただ目標はひとつ、「チームが優勝できればなんでもいい」と仲間との歓喜を掲げていた。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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