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“ホーム”の大声援も流通経済大は4強敗退…静学出身2年生FW松永颯汰が2発「来年の課題かな」

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[12.21 インカレ準決勝 流通経済大2-2(PK3-4)京都産業大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]

 スタンドには兄弟校・流通経済大柏高のサッカー部員の姿もあった。“ホーム”の大声援に乗せられてプレーした流通経済大は、2度のビハインドを追いつきながらも、PK戦の末に敗戦。FW松永颯汰(2年=静岡学園高)は「たつのこでの試合だったので、全国大会という感じはしなかったけど、ここでやれることに感謝の気持ちを持って挑んでいた。雰囲気を作ってもらっても勝てなかった。もう一段階、結果を残せればよかった」と肩を落とした。

 2度の同点ゴールを決めていたのが、松永だった。1点目は先制を許した直後の前半36分、DF根本健太(3年=東京学館高)から出たロングボールをMF西川楓人(1年=興國高)がスルー。そのまま裏に抜け出そうとしていた松永へのパスになった。「あとは落ち着いて」。距離を詰めたGKとのタイミングをずらしてゴールネットを揺らす。

 さらに1点を勝ち越されて迎えた終盤の後半36分、GKが弾いたボールを左サイドで受けた松永がそのままカットイン。DFとのタイミングを計ると、鋭く右足を振り抜いて2度目の同点弾を突き刺した。「カットインからの切り返しが武器。でもチームを勝たせることは出来なかったので、そこは来年の課題かなと思います」。

 飛躍の1年となった。関東1部リーグでは19試合に出場してチーム最多の8得点を記録。U-20全日本大学選抜に選ばれて出場したSBSカップでは、大会MVPに選出される大活躍をみせた。

 早くプロで活躍したいという思いで常にプレーしているという。兵庫県神戸市出身の松永だが、小学生の時に衝撃を受けたというMF中村仁郎(G大阪)と一緒にサッカーがしたいとしてG大阪ジュニアユース入りを希望。結果的に一緒にプレーすることは叶わなかったが、高校も卒業後のプロ入りを意識して、静岡学園高に越境入学した。

 大学も松永が入学する前に12名のJリーガーを同時に誕生させていた流経大を選択した。「高卒でプロに執着しすぎて、選択肢があまりなかったのもあったけど、流経に来たらプロになれると思って来た。まだプロの練習参加とかはないけど、ちょっとずつ結果を残せているので、見てくれているのかなと思います」。プロへの距離が近づいていることを実感している。

 そして更なる飛躍を誓う。「個人記録にはあまり興味がないけど、リーグやインカレでまた勝ち上がって、1位を取りたい。だけどどれだけいいプレーをしていても見られるのは結果だと思うので、こだわっていきたい。早めに内定?そこは一番の目標。Jリーガーになりたいです」。夢を広げる新星は、着実に歩を進める。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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