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U-23日本代表vsニュージーランド 試合後の選手コメント

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[7.11 キリンチャレンジ杯 U-23日本代表1-1U-23ニュージーランド代表 国立]

 ロンドン五輪に出場するU-23日本代表は11日、東京・国立競技場でU-23ニュージーランド代表と五輪壮行試合を戦い、1-1で引き分けた。後半26分に途中出場のFW杉本健勇のゴールで先制したが、ロスタイムに失点。後味の悪い前哨戦となってしまった。

以下、試合後の選手コメント

●FW杉本健勇(東京V)
―ゴールシーンは?
「トクくん(徳永)がトラップをした時点で、下が多少スリッピーだったので、こぼれ球が来るかもしれないという感覚があった。体が反応していった。ゴールは気持ち良かったけど、結果的に追いつかれたので、そこはダメ」
―どういうプレーをしようと思って入った?
「大津くんと2トップ気味になって、しっかり崩そうと思った。意識したのはゴールに向かって入っていくことと、前でボールを収めること。一番はゴールですね。もっとクロスの入り方に迫力を出したかったけど、そういう場面があまりなかった。シュートを打てる場面があったのにパスを選択したときもあったので、次はもっと積極的に打っていきたい。外から見ているときは、自分たちがボールを保持していたけど、サイドチェンジのボールが多くて、もっと縦パスを入れた方がいいと感じていた。横、横になっていた。もっと勝負のボールを真ん中に入れてもよかったのかなと思う」
―五輪代表として点を取ったことについては?
「日本を背負っての試合は、攻守とも1点1点に重みがある。切り替えていきたい」
―本番のイメージは?
「オリンピックでは初戦が大事。相手もスペインだし、その前の親善試合で万全の状態にしてチームを仕上げていきたい。自分たちが持っている力を出せば勝てない相手はいないと思う。切り替えていきたい」

●FW齋藤学(横浜FM)
―一番最後の投入だったが、コンディションの問題?
「何も言いません。少ない時間だったけど、その中で結果を出さないといけない。これが本番でなければいい。ずっと準備はしていたし、いつ出るかは分からなかったけど、入り方は悪くなかった。あのシュートを決められるようになりたいし、オリンピックでは決めないといけない。自分のドリブルは出せたけど、あそこを決めていれば勝っていたし、短い時間で、もう2、3回できればよかった」

●MF扇原貴宏(C大阪)
「ボールを運ぶところでもっとピッチを広く使えればよかった。自分のところでもっと前にボールを運びたかった。自分のところでバックパスが増えたのは課題。前に運べばもっとチャンスをつくれた。1-0であの時間までいったら、ああいうこともある。チームとして2点目を取りにいくところを徹底しないといけない。もう少し自分が前で受けて、前に運べるようにしたい。なかなか前にボールを運べなかった。こういう相手にしっかり勝ち切れないとダメ。中盤のところでのプレッシャーもあまりなかったし。まだ試合があるので、自分たちのやるべきことを意識して、しっかり勝ち切って、本番に臨みたい」
―徳永選手がオーバーエイジで入ったが?
「経験のある選手だし、安定感がある。自分もやりやすかった。合流してすぐだけど、自分たちの特徴も分かってくれているし、コミュニケーションも取れている」

●MF村松大輔(清水)
―失点シーンは?
「相手が結構前から来ていたので、取られないように気を付けていたけど……。あの時間は簡単にセーフティーにやらないといけない。身を持って思い知らされたし、これを繰り返さないことが大事」
―試合後のスタジアムの雰囲気をどう感じた?
「自分のミスからの失点。悔しかったし、つらかった」
―チームメイトからは何か言われた?
「『切り替えていこう』と。そのとおりだし、下を向いている時間もない。次はJリーグ。切り替えてやるしかない」

●DF徳永悠平(F東京)
―最後のミスから追いつかれたが?
「ああいうシンプルなミスが3回ぐらいあった。3回あったらやられる。ポジショニングの部分で、ミスしたあともカバーできるポジションも取れたかなと思う」
―左SBでのプレーは?
「前が永井だったので、後ろでサポートして1対1を仕掛けさせるイメージだった。逆サイドが(酒井)宏樹で、どちらかというとガンガン行くタイプ。守備のときに穴を空けないことが求められていたと思う」
―ミドルシュートが先制点につながったが?
「迷わずしっかり抑えることを意識して打った。チームメイトにも、見ている人にも、これで少しでも認めてもらえれば。これからは(チームの)結果も出して、本大会に乗り込んでいきたい」
―本番まであと2試合ある。
「CBでもSBでも、しっかり準備していきたい。次は(吉田)麻也も入ってくるし、もっともっと成熟した試合をやらないといけない。最初の試合としてはうまく入れた。これを続けていければ」
―最終ラインは初めて組む選手ばかりだったが?
「リーグで対戦したことはあるし、ある程度は特徴も分かる。短い期間で話もできたし、今日つかめたところもある。ここで1試合できてよかった」
―壮行試合で引き分けという結果は?
「見に来てくれた人、テレビで見ていた人に申し訳ない。チャンスはあったし、あれを決めないと、世界で勝ち切れない。少ないチャンスで決められるようにしないといけないし、入らなくても守り切らないといけない」
―村松選手に声をかけた?
「『次だぞ』と。ミスは起こるし、次やらなければいい」
―連係面の手応えは?
「左だと縦よりも中に行くというのはみんなに話していたし、中に入ったときにみんなが顔を出してくれた。そこは手応えをつかめたし、連動した攻撃もできた」

●DF鈴木大輔(新潟)
―失点場面は、もう一枚足りなかった?
「僕は(村松)大輔が取られたときにカバーリングに行こうと思ってポジショニングを取っていたけど、中に入れられて、そのままファーに一人足りなくてやられたという感じだった。ただ、個人の責任というよりも、そのあとをしっかり対応できないといけない。守備としてはゼロで締めないといけないゲームだったと思うので、非常に残念です」
―あのタイミングで失うと対応しづらいのでは?
「ああいうミスはあることだと思うので。そのときに後ろが動じることなく保てるかは、今後もまたこういうシーンが出てくると思う。僕らは後ろから組み立てるサッカーをやっているので、その分、ミスをしていい距離感というのを再確認していこうと思います」
―手応えとしては?
「ボールが動いて、こっちが支配できたと思っている。その中でセットプレーを含めて、もう2、3点、それ以上点が取れたと思う。そういう積み重ねが必要だった。守備のところでは1トップを僕と山村で抑えることができて、相手もすごく嫌がっていた。ヘディングで負けても、その裏をカバーするというのは徹底してできたので、そのあたりの手応えはあります。ただ、さっき話した失点のところだったり、攻撃で点を積み重ねていくところは、このゲームで足りなかったと思う」
―CBにOAが入ってきて、意気込みは強かった?
「いつもどおり、力まずにやろうと考えていた。意識し過ぎずにできたと思う」
―左の徳永選手とプレーした印象は?
「(徳永)悠平くんにボールが入ると落ち着くし、その分、自分としても守備のポジショニングや攻撃のサポートはしやすかった。守備のときも距離が近くて、僕は一つ離れているけど、山村の(背後の)カバーも速くて、非常にやりやすかったと思う」
―ミックスゾーンに出てくるのが遅かったが、ミーティング?
「試合後はそうですね。今、思っていることをそれぞれが話し合いながら着替えていましたね」
―どういう話を?
「点を積み重ねるというところ。支配しながらも外した。でも、外したで終わってはいけない。組み立ての部分で一個飛ばすとか、細かいところが映像を見れば絶対に出てくると思うので、そういうところをしっかり話しました」
―2点目が取れなかったことが反省点?
「僕は守備の人間なので、攻撃は1点取ってくれているし、あの時間帯ということを考えても、守り切れなかった守備の責任は大きかったと思っています」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―試合の入りは良かったが?
「前半からゲームを飛ばし気味に行って、運動量が低下したのかなというのは感じる。前半はうまく前の選手と絡めたが、0-0で終わってしまったことがすべてだと思う。自分も含めて、クロスも失敗したし、最後の精度を高めていかないとああいう展開になる。もし、2-0の展開になっていれば相手にプレッシャーをかけられていた。最後に1失点したというより、もう1点を取れなかったことが反省だと思う」
―杉本選手が入るとやりやすい?
「そうですね。(杉本)健勇が入ると高さがあるので、違う部分を生かせると思う」
―五輪へ準備はできた?
「もう一回チームとしてビデオを見たりして、課題を克服してやっていければいいかなと思います」
―清武選手と良い連係を見せていたが、特徴はつかんでいる?
「全員の特徴を知らないといけないし、自分のプレーも全員に知ってもらわないといけない。そういうところは長年やってきて、できてきていると思う」

●GK権田修一(F東京)
―本番直前の3試合の1試合目としては良い?
「3試合のうちの1試合というよりは、五輪を含めた試合すべての積み重ねだと思う。その1試合目という印象が強かった。この3試合ですべてを仕上げるものでもないと思う。ある程度、高い位置に仕上げるためにも積み重ねていくことが大事。今日の試合もみんなが本気でやった。その結果、19本シュートを打って1点しか取れずに、シュート2本で1失点してしまった。でも、本気でやることで課題や修正点が出てくる。今日は最初に1点を取ったからといって、なんとなく流そうという状況になったわけでもなかった。2点目を取りにいったのに取れなかった。それが今日は一番の発見だと思う。どういう試合の終わらせ方をすればいいのかも課題として残った。これで次に同じ形で失点したり、シュートを何本も何本も打っても決められないという状況になったりしたら、今日のゲームの課題が生かせていないことになる。他にも細かい課題はたくさんありますが、みなさんが見ていて思うような課題というのは、次の試合で修正できていれば今日の試合の意味があると思う」
―スペイン戦に向けて完成させていく?
「スペインには集中しないといけないけど、そこで出し切っていいわけでもない。グループリーグは3試合あるわけですから、ずっとそれ(課題を見つけて修正する作業)を続けていかないといけない。グループリーグを勝ち上がって、トーナメント1発目で勝っても『よっしゃ、やり切った』じゃなくて、課題が出たものを修正する。アジア予選をやっているときもDFラインでは『前の試合で課題が出たから、次の試合はチャレンジしよう』とやってきたし、このスタンスは変えなくていいと思う。1試合ですべてが決まるとは思わないが、逆に1試合も無駄にしてはいけない」
―チームの完成形のイメージはできている?
「ここからどうにでもなると思う。今日のこの結果をどう捉えるかでどうにでも変わる。『ああいうミスで失点したら、無理だよ』と思う選手がいて、そこで片付けてしまうのか。2点目が取れなかったことを悔やむか。失点の場面でも、(村松)大輔は迷っていた。出すところがなかったから。あの状況でサポートできなかったことを悔やんでいる選手がいるか。僕の場合は、あのシーンで止めるのが僕の仕事なので。止められなかったことを考えないといけない。それ次第で、いくらでも変わってくる。いくらでも良くなってくる可能性はあるし、何も積み上げられない可能性もある。このチームがロンドンで何をしたいか。ロンドンでどこまで行きたいか。どれだけみんなが強い気持ちを持っているかだと思います」
―個々の意識?
「そうだと思います。サポートメンバーの選手も入った状況で、スタメンで出ていた選手だけの時間を考えれば1-0で勝っていた。それで『勝っていたんだ』と思うのか、『もっと俺らが点を取っておけば勝てた』と思うのか。少しの考え方の違い、ちょっとどう考えるかによって大きく変わってくる。でも、みんな試合が終わってから話した感じだと『なんで大輔?』という感じではなく、『2点目を取れなかった俺らが悪い』という感じだったから、あまり心配はしていません。その意識次第でいくらでも変わってくるんじゃないかなと思うし、そういうスタンスで行ければ、どこまでも行けるんじゃないかなと思う」
―村松選手に対してはミスを叱責した?
「いいえ。ミスはあるものだから。でも、ミスがあったら表情は(テレビに)撮られています。そういうときの表情は大事。ヘラヘラしているのが一番良くないし、選手も見ている。今日はお客さんもたくさん入ってくれましたし、多くの人に見られています。代表チームの試合で、壮行試合という状況で、ああいうときの振る舞いが大事。あれによって『権田、何をやっているんだよ』と言われる方が良い。『大輔がへこんでいたな』とか言われるくらいなら、『権田、何やっているんだ』と言われて済むなら、そっちの方が気が楽です。今日の大輔は批判されても仕方がない。大津にパスミスして速攻をされました。でも、大輔は切り替えてくれたと思う。ハングリーさがあるし、大丈夫だと思う。チーム(清水)でもアンカーをやっていますが、つなぎには参加しない。CBが全部やっちゃうから。このチームに次にまた来たときに、ボールを受けられるか、(パスコースから)隠れちゃうのか。僕もシリア戦でミスをして、結果も出なかった。その試合後に代表は一度、解散しましたが、また次の代表活動のときに戻ってきた。そのときの気持ちの持ち方は大事。大輔は大丈夫だと思いますが。でもあのときは少し『どうしよう』という顔をしていたから、強く言いました。でも、別に大輔に怒っていたわけではない。テレビにも撮られているから、ヘラヘラしていたら一番損をするのはアイツだからっていうことです。喧嘩したわけではないですよ。こういうときの表情が大事だよ。またすぐに(U-23代表は)集まるし、次の場面で(パスを)受けられなかったら意味がない。俺もシリア戦でミスをした。そこ(ミスをしたあと)で強気でやらないとダメだよ、と言っていました」
―事前にバックアップメンバーを試合に出すという話はあった?
「今日に関しては、登録メンバーの22人全員で戦うということでした。6人交代ができて、GK以外は6人がベンチ入りしていたので、僕は全員使うんだろうなと思っていた。CKとかリスタートの部分でマークの付き方が変わってしまうけど、そこは仕方がない。変わった中でうまくやろうと思っていた」

●MF米本拓司(F東京)
―試合に出る準備はできていた?
「6人交代枠があったので、一応準備はしていました」
―試合前に監督から何か言われた?
「別に何も言われてないです」
―前半はどう見ていた?
「良い攻撃ができていて、あとは決めるだけだと思っていた。決定力があれば、DFは頑張ってくれていたので。しっかり練習から1対1を決めていったり、そういうのをやっていけばいいのかなと思う」
―村松選手との連係面は?
「あまり組んだことはなかったし、別に悪くもなかったと思うけど、そんなに時間もなかったので。よく分からないです」
―試合に出たことでバックアップメンバーという悔しさは強くなった?
「それはありますけど、少しでもうまくなるためにやるだけ。それだけですね」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、河合拓)

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