beacon

なでしこ佐々木監督は準備に自信、「最高のスタートを切れる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 カナダのハードマン監督から「クレバーな監督」と評された日本女子代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫監督は報道陣からその話を聞かされると、「あいつも最近分かるようになってきた」と冗談めかして語った。08年北京五輪、昨年の女子W杯といずれもグループリーグ初戦で対戦したニュージーランドを率いていた旧知の指揮官とあり、対戦相手の研究にも余念はない。

 カナダのエースは国際Aマッチで100得点以上を記録しているFWシンクレア。175cmの長身でスピードもあり、カナダのチーム関係者によると、すでに今年の代表戦16試合で17得点を挙げているという。佐々木監督は「シンクレアにスペースを与えると、スピードに乗った仕掛けがある」と警戒。アメリカのワシントン・フリーダム所属時、シンクレアとブラジル代表FWマルタが2トップを組んでいたゴールドプライドと対戦経験のあるMF澤穂希も「対戦相手として、マルタと2トップを組んでいて、ほとんどボールも取れなかった。得点感覚も優れているし、一番注意しないといけない」と力を込める。

 とはいえ、相手よりも自分たちのコンディションづくりが最優先だ。フランスでの事前合宿は2部練習を含めたハードなメニューで追い込んだことで、19日のフランス戦は選手の動きも重く、0-2の完敗を喫した。ところが、英国入り後の初練習となった21日はリラクゼーションをまじえた調整となり、22日の練習も2部練習の予定を1回に変更した。

 選手の疲労を回復させながらコンディションを整え、万全な状態で25日の初戦に臨む。そう青写真を描く佐々木監督は「昨日楽にしたことで、今日(22日)の練習では選手の切れ味もよかった。明日いい準備をすれば、最高のスタートを切れる」と、チームの仕上がり具合に自信を見せた。地元メディアから「金メダルを取れる自信はあるか?」と聞かれると、「自信があるとかではなく、それを目指してロンドンにやってきた」と即答。「それを目指して、チャレンジするだけ」とあらためて強い決意を口にしていた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ

TOP