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史上最強のチームを牽引した田中陽子「なでしこで再会を」

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[9.8 U-20女子W杯3位決定戦 日本2-1ナイジェリア 国立]

 圧巻のスーパーミドルが突き刺さった。前半24分、4試合ぶりにトップ下で先発したMF田中陽子が挙げた先制点は、本田圭佑顔負けの無回転シュート。GKホワイトは手に当てながらも、強烈なミドルシュートを防ぐことはできなかった。

「流れを変えたくて打ちました。入ってよかった。練習の成果が大舞台で出せました。勝ちたい気持ちが得点につながったんだと思う」

 この日はトップ下、2列目の左サイドでプレーした田中陽だが、本職はボランチとだけあってミドルシュートの練習は欠かしていないようだ。無回転シュートについては映像でも研究しているようで「フォルラン、クリスティアーノ・ロナウド、本田圭佑、スナイデル」(田中陽)らのシュートシーンを繰り返し見ているという。

 吉田弘監督が掲げる攻撃サッカーが実を結び、奪った得点は6試合で「15」。北朝鮮の16得点に次いで今大会2位タイの攻撃力を誇った。田中陽は6試合で6得点を挙げ、シルバーブーツ賞に輝いた。今大会で高い得点力があることも証明した田中陽だが、本人はあくまで「ボランチで勝負したい」と語る。次のステージであるなでしこジャパンでは、澤穂希、宮間あや、阪口夢穂、田中明日菜ら世界を制した偉大なる先人たちとポジションを争うことになる。

「(今のチームメイト)全員でなでしこに入るのは難しいですけど、(それぞれが)チームに帰ってレベルアップして、また会いたい。このチームが好きなので」

 ドイツに敗れたショックから立ち直って見事世界3位を勝ち取ったが、ヤングなでしこが掲げていた目標はあくまで「優勝」。試合後、3位になった喜びとともに、優勝できなかった悔しさも選手たちは語っていた。今大会では叶わなかった「世界一」の夢は、数年後になでしこジャパンで果たしてくれるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)
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