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9/25フットサル代表 午前練習後の三浦選手コメント

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 フットサル日本代表は25日に愛知合宿の2日目を迎え、午前練習を行った。午後も練習を行うが、午前中の練習でチームを離れるFP三浦知良(横浜FC)は、練習後の囲み取材に応じ「本当にリラックスした雰囲気で僕を迎えてくれた」と、フットサル日本代表選手たちへの感謝を口にしている。

以下、三浦知良選手コメント

●FP三浦知良(横浜FC)
―練習後、選手たちには何を話した?
「キャンプは明日まであるんですけど、僕は横浜FCの練習が明日あるので、そっちに行かなきゃいけない。今日の午後からいなくなってしまうので、昨日からのお礼をしました。また、みんなが良い雰囲気をつくってくれたので、非常に入りやすかったですし、リラックスできたのは代表選手たちのおかげなので、そのことを話しました。昨日のミーティングでも監督が『大きな壁だけど、それを乗り越えてW杯の1次リーグを突破するという目標を持ってやっていこう』と言っていましたが、それをもう一度、自分の口から言いました。僕は今日の午後と明日はいないのですが、また次のキャンプでみんなと会うことを楽しみにしていますと挨拶しました」

―今日は激しいフルメニューをこなしたが?
「基本的な守り方はサッカーと変わらないんですけど、やっぱりスペースが狭いですし、その分切り替えの部分が速いですから、判断を一つ間違えてしまうと一気にゴールに直結してしまうのがフットサル。DF4人での守り方はサッカーとは違うので。基本的には一緒ですが、やっぱり慣れが必要ですから。今日みたいにやりながら、失敗しながら、監督や選手からの指示がありますから、それをしっかり自分で学んでいきたいなと思います」

―ピヴォのポジションに入っていたが、どういったプレーを求められている?
「当然ゴールというものはあると思います。ピヴォは前に入ったときに相手のプレッシャーが強いですから、それに耐えてキープして味方にシュートを打たせるのが一番の仕事だと思うので。攻めに関しては、ですけどね。ただ監督からも指示があって、なかなかボールが入って来ないこともあるので、そのときのシステムは「3-1」じゃなくて、後ろに下がって「4-0」というシステムもあるらしいので。その辺はやりながら。「2-2」というのもあるらしいし、いろんなシステムがあるらしいので、大変ですよね(笑)。CKもサインプレーが10個以上あるらしい。ビデオ渡すから見ておいてくれって言われて。昨日も僕と新しい選手(森岡薫)の2人で、ミーティングの後に残ってDFのパターンを20個以上見たんじゃないかな。ほとんど忘れていますけど(笑)」

―居残りのミーティングはどれぐらい?
「30分ぐらいかな。僕もビデオを止めて質問をしたりしたので、少し時間がかかりましたけど。編集した映像を、結構見ましたね。スペインリーグが中心だったと思います。監督もスペイン人なので。日本ではなかったですね」

―細かいところに戸惑いはありませんか?
「多少は。でも、考えすぎてもいけないですから。考えすぎるとうまくいかないことも多いので。ただ、サインプレーはCKもサイドからのキックインもかなりの量のサインプレーがある。それも攻めと守りの両方があるので。それは覚えなきゃいけないので、ちょっと大変です」

―守りのサインもある?
「あるみたいだね。CKも10個ぐらいあるって言っていたし、守りの方もそれに合わせて。昨日も守り方のビデオを見て、今日も帰る時に、それとCKの場面を編集したものをくれると言っていたので。それを新幹線で見ようかなと」

―笑顔が多かったが、2日練習してどうだった?
「練習もそうですが、ホテルでの食事のときも、テーブルに1人になることが昔の代表ではあったんですけど(笑)。みんな積極的に僕の横に座ってくれてね。『いいですか?』ってね。僕のテーブルが満席になったのは、代表では初めてだったんじゃないかな(笑)」

―どういった話をしたのか?
「僕から質問することもあるし、現状のフットサルの足りないことだったり、昔に比べて良くなったことだったり。Jリーグの話だったり、昔の代表の待遇の話だったりとか。サッカーやフットサルの話が多かったですね。フットサルの日本代表選手もプレッシャーを感じていると思う。A代表にしても、オリンピック代表も、なでしこも、みんな良い結果を出している。待遇に関しては、なでしこジャパンとほとんど同じだったけど、この1年半で大きな差をつけられてしまったので、自分たちも頑張ってFリーグをもっともっと日本で繁栄していくようにしたい、と。そのためには何が必要かというのを彼らはすごく話していました。何よりも、自分たちが勝つということしかないんですね。ブラジル、ポルトガル、リビア、本当に強い、大きな壁なので簡単には勝てないと思う。あとはキャンプや親善試合で一つのグループとしてまとまって、目標を達成できるようにしたいなと思います。本当に大変なことだと思いますが、そうしないと僕がこうやって来ることだけでは変わりませんから。僕は当然全力でやらなくちゃいけないんですけど、フットサル日本代表を引っ張ってきた選手たちが中心となって、引っ張って行ってほしい。日本代表の強い意識、誇りを持って戦ってもらいたいなと思います。僕よりも彼らが強くそれを望んでいると思いますし、期待しています」

―W杯が地上波で放送されることになったが?
「そうなんですか? 今年、札幌でFリーグに参戦したときもたくさんの人が集まってくれて、試合もすごく良い試合になりましたからね。たくさんの人の応援は選手の力になると思うので。素晴らしいことなので、感謝しています」

―昨日は「カズさん」と呼ぶ選手が多かったが、今日は「カズ」と呼ぶ声も聞こえた。
「『カズさん』と呼ばれたので、『カズでいいよ』とは言いました」

―同じく初招集された名古屋の森岡選手の印象は?
「昨年の年末も一緒にフットサルをやらせてもらって、最初に見たときからこの選手は違うレベルにあるんじゃないかなと感じていました。ゴールへ向かう力強さ、技術、トップレベルにあると思います。尊敬しています」

―今回の合宿、一番の収穫は?
「こうやって日本代表の選手たちと会えて、2日間ピッチで一緒にプレーできたこと。これだけ長い間サッカー生活を続けていますけど、最初って本当に大変だし、来たときに向こうから協力的にしてくれると入るのが楽なんでね。本当にリラックスした雰囲気で僕を迎え入れてくれた。そこが一番大きかったし、一緒にこうやって2日間練習できたこと。ホテルでもコミュニケーションがとれた。それは大きいと思いますし、次のキャンプではもっと前に進めると思います」

―あらためてフットサルの魅力を感じた?
「スピーディーで展開が速くて、ゴール場面、シュートチャンスが多いこと。サッカーも含めて、ゴールを楽しみにしている。フットサルはシュート数も多いし、ゴールに直結するプレーが多い。見たことがない人も日本では、まだまだいると思いますので、ここで日本代表が頑張って、みんなに見てもらえるようにしたいですね」

―フットサル日本代表選手のメンタル面は、どのように感じたか?
「まだ2日間なんでね。全員とコミュニケーションをとれているわけじゃないので。ただ、みんなプライドを持ってやっているし、大きな戦いに挑んでいくという意識は強い。さらに、その意識を高めていきたい。メンタルが上がれば、必ずチーム力は上がる。監督も非常に厳しいことを言ってくれる監督なので。監督を中心に引っ張ってもらいたいし、中では選手も緊張感を出していきたい。木暮選手のように経験豊かな選手が中心となってやっていますから、僕は彼らとコミュニケーションをとりながら、若い選手たちに意識を伝えていく必要があるのかなと思います」

―練習中もマンツーマンの指導もあったが?
「選手に聞いても、守備のことをすごく細かくやる監督らしいので」

―練習後に監督と話していたのも守備について?
「守備ではないですね。ピヴォに入っていてボールが来ないときの動きです。3-1でずっと待っていると、プレッシャーを受けるので、前に残らずにポジションチェンジをしたほうがいいと。前に残っていると、かなり厳しいプレッシャーがかかるから、動きながらやっていけと。それは練習中からずっと言っていましたね。僕は下がっちゃいけないのかなと思っていたので」

―4-0っていうのは全員が下がる形?
「『4-0』は4人が並ぶような形。前にいない形がありましたよね? 日本は、あの方が良いんじゃないかと言っている選手もいましたね。ゼロトップというか、間、間に入っていったり、ダイアゴナルで(斜めに)動いたり。それが日本人に合ってるんじゃないかと。僕は、まだハッキリとは分からないですけどね」

―ブラジルのときはどれぐらいの期間、フットサルをやっていたのか?
「2年ぐらいですね。サッカーの試合に出ながらです。週に2回ぐらい。僕は最初ジュベントスっていうチームのジュベニールにいて、そこはフットサルのチームがあって、たまたま雨の日に室内でフットサルをやっていたんですよ。それをフットサルの監督が見ていて、『やってみないか?』と誘われて。それが最初で、結局登録して、サンパウロの16歳のチームの大会にずっと出ていました。週に2~3回やっていて、週末は夜にサッカーの試合がないとき、土曜日がサッカーだとしたら日曜日にフットサルの試合に出ていました。それで、サンパウロの大会で優勝したんですよ」

―その経験が今回の代表合宿にも生きている?
「それは少しはありますよ、やっぱり。でも、その頃はフッチボール・デ・サロンでしたから。スローインでしたし、ペナルティエリアの中からシュートを打てなかったし、スライディングもダメだったし、ボールもちょっと違ったような気がします。小さくて重い。少し違いましたが、サッカーもいろいろルールが変わっていますから、そこまで極端な違いはないと思います。ただ、ずっとやっている人と比べればね。僕は2日目ですから、慣れるしかない。勉強はあんまり好きじゃないので、ここでちゃんとやります。ナチュラルにね」

(取材・文 河合拓)

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