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出番を待つDF酒井高「試合に出ないことには、争いもない」

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 日本代表は11日、イラク代表とW杯アジア最終予選の最終戦で対戦する。10日に行われた試合の前日会見でアルベルト・ザッケローニ監督は「W杯予選、コンフェデレーションズ杯までを一つの区切り。そこからまた全員がスタート地点に戻り、新しい競争が始まる」と、話した。しかし、日本代表に招集されながら、レギュラーに定着できていない選手たちは、すでに競争は始まっていると危機感を見せる。

 DF酒井高徳も、その一人だ。左右のSBを高いレベルでこなすサイドのスペシャリストだが、日本代表ではDF長友佑都、DF内田篤人の壁を越えられないでいる。だからこそ、イラク戦で出場機会を与えられることを渇望する。「どの試合でも、代表でやりたいなと思っていますし、出た試合、出た試合で、しっかりアピールしたいです。チャンスがある試合は、しっかり大事にしていきたい。1試合1試合、大事にしていきたいです」と、言葉に力を込めた。

 代表デビューは、昨年9月のUAE戦(1-0)だった。ザック・ジャパンに初招集されたのが11年10月だったから、約1年近く出番を待っていたことになる。長期間にわたってザック・ジャパンで時間を過ごしていることもあり、チームの決まりごとについても「今はだいぶこのチームで練習を積んできているので、自然とできるようになっています。たまにまだ『あっ』と思うことがありますが、それ以外はしっかりできていると思いますし、体に染みついていると思うので、自然に出して行けばと思います」と、自信を見せた。

 ザッケローニ監督からは、長期にわたって代表に呼ばれているが、まだ代表に定着できたとは思っていない。「数少ないチャンスのときに、どれだけアピールができるか。『また呼びたい』『また使いたい』と監督に思わせることが重要だと思うし、試合に出ないことには争いもないと思う。そういうのは虎視眈々と狙っているというのが、本音かなと思います」。W杯出場を決めた直後の一戦で、自分の持ち味を発揮する機会がくることを、酒井高は心から望んでいる。

(取材・文 河合拓)

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