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日本vsベルギー 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 日本代表は18日、試合会場のボードワン国王スタジアムで公式練習を行い、19日のベルギー戦に向け、最終調整した。前日17日は宿舎で調整し、練習に参加しなかったMF遠藤保仁、DF長友佑都も合流。17日は別メニュー調整だったFW香川真司、MF山口螢を含め、全23選手で練習した。

以下、練習後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―中2日の試合だが、先発はどの程度入れ替える考えか? 明日の試合が終わると、次の国際Aマッチデーは来年3月だが、その間に代表の活動の機会を協会にリクエストする考えはあるか?
「まず明日の試合が終わってから3月までにゲームを入れる予定はない。一つ目の質問については、メンバーを代えようとは思っている。ベルギーはFIFAランキング5位で、13年はコロンビア戦が初めての敗戦だった。非常に強いチームだと分かっているが、我々はW杯に向けて準備を進めていく中で、チームとしてのプレーも高めていかないといけないし、こういう舞台でメンバーの実力もテストしないといけない。明日のメンバーも少しいじろうと思っている」

―オランダ戦後の選手のリアクションは?
「選手たちの反応は、内容に満足していることはいいと思うし、試合の流れを考えると、勝てなくて残念という思いを持ったり、そういう表情を見せるのも悪いことではない。個人的には内容がどうだったのかが大切で、そこを見たかった。チームのコンセプトに基づいてやっているのか、目指すべき道を進んでいるのかを確認したかった。我々はコンディションがいいときには非常にいいサッカーをして、いい内容を見せることができるが、それをいかに継続して出していけるかがこれまでの課題になっている。引き続きこのパフォーマンスを出していければと思う」

―しばらく代表の活動がないということで、今回の試合が終わったあと、選手には各クラブでどういうことを意識してもらいたいか?
「まずはより多くの試合に出るように心がけてほしいという話をしようと思っている。各々のクラブチームでやり方は違うが、しっかりとトレーニングに励んでほしいし、代表チームを考えると、できるだけコンスタントに試合に出ることが大切で、コンスタントにいいトレーニングをすることが代表チームの活動につながっていくと思う」

―ベルギーは近年、急激に力を付けているが、最近のベルギーをどう見ているか?
「こないだのコロンビア戦を見ながら少し思ったが、近年、この2つのチームが非常に力を付けてきている。欧州ではベルギーであり、南米ではそれがコロンビアだと思っている。チームの特長としては、目指すべき道、イメージの共有がしっかりとできており、そこにたどり着くまでにどんなプロセスを踏んでいけばいいのかもよく理解しているチームだと思う。そのためにフィジカルを前面に押し出し、自分たちの特長、能力に合ったやり方をしてくる。技術、フィジカル、経験という要素が高いレベルで融合している。多くの選手がビッグクラブでプレーしていることは経験として大きいだろう」

―本田が「ベルギーは評価されているほど強くない」と話していたが、逆に相手のモチベーションを高めて、火に油を注ぐことになるのではないか?
「本田がそういうことを言ったというのを知らなかった。私が思うには、ベルギーは今のランキングに値するだけの結果を残していると思うし、先ほども言ったが、フィジカルが強くて技術レベルも高く、経験豊富なチームだと思っている。実力どおり、それぐらいのランキングにいるチームだと思っているが、選手の発言は自由なので、それはそれでいいと思う。『火に油を注ぐ』ということだが、イタリア語では『寝ている犬を起こしに行く』という言い方をする。しかし、ベルギーが寝ているとは思わない」

―明日の試合で3-4-3を試すシチュエーションはあるか?
「先日のゲームを受けて、ピッチが重かったこともあるし、選手が疲労しているとも言える。少し問題を抱えている選手もいる。明日の試合まで回復の時間は少ない。全員のコンディションを見て、どういうメンバーを使っていくかを考えたうえで、どういうシステムを採用するか、あるいは試合中に移行するかを考えていきたい」

―ベルギーの攻撃陣はボールがない状況でも相当走っているが、日本の選手のオフザボールの動きはどれぐらいのレベルにあると考えているか?
「オフの動きがよく出るときには非常にいい形、いいサッカーができているという実感があるが、どれぐらいのレベルに来ているかと言われれば、自分の理想から言うと、75%ぐらいの仕上がりまで来ていると思う。ホームでのオマーン戦、ヨルダン戦、札幌でやった韓国戦、コンフェデのイタリア戦は、自分たちの目指すべきサッカーができたと思っているし、あれだけアグレッシブに、迫力を持って攻守にプレーすることが大切だ。ダイナミズムあふれるサッカー、特に前線の動きが活発になるようなダイナミズムが出ているときに、我々はいいプレーができているという実感がある。今後の課題としては、それをいかに意図的に継続して出せるかというところに入ってきている。自分たちがどういうことを目指しているのか、どういうふうにプレーしたいのかを明確に理解することが大事だと思う」

(取材・文 西山紘平)

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