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U-21日本代表・手倉森監督の就任会見要旨

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 リオデジャネイロ五輪を目指すオリンピック代表チームの指揮を執る手倉森誠監督が11日、都内で就任記者会見を行った。

以下、手倉森誠監督の会見要旨

手倉森誠監督
「このたびリオ五輪代表監督に就任しました手倉森です。リオ五輪への旅の舵取りということで、日本国民の期待を背中に背負って一生懸命がんばりたいと思います。Jリーグが最後、3連敗で終わったので、原さん(原博実技術委員長)に『やっぱりやめた』と言われないかなと思って、今日ここに来ましたが、無事にこうしてみなさんの前で挨拶ができて、ホッとしたのと同時に、いよいよ始まるなという気持ちでいます。リオ五輪は、東京五輪に向けても大切な大会になる。前回のロンドン五輪がベスト4となれば、それ以上の期待がかかるだろうなということは理解しているし、東京五輪は自国開催なので、金メダルを目指さないといけない大会になる。それに弾みを付けられるような大会にできるように、来年1月から若手選手を鍛え上げて、進んでいきたい」

―こういうチームをつくりたいという理想像はあるか?
「一番は強いチームをつくりたい。日本という特長を存分に発揮できるようなチームづくりをしたいと思っている。世界から見て、日本は規律正しく組織的だと言われる中で、それを戦術に取り込めるチームをつくりたい。日本はまだまだ世界に比べれば強豪国とは言えない。ましてや若い世代となれば、発展途上の選手を育てないといけない。まずは攻撃的な守備をしっかり構築していきたい。チームをつくった先には、しっかりA代表につながっていく選手を育てることがメインテーマになる。まずは組織的なサッカーができるチームを目指したいと思う」

―あまりクラブで出場機会のない選手もいる世代だが? またクラブと代表では監督の役割も大きく変わるが?
「プロでプレーしている選手たちだが、確かな経験をしているとは言えない選手たちもいる。いろんな経験をさせながら成長させないといけない。U-20W杯の予選で負けた悔しさを糧にしてやってきている選手もいる。強くなるためには勝ちも負けも必要だ。進むべき道、ビジョンを持って、目標をしっかり掲げて、今、何をすべきかを落ち着いて冷静に伝え、彼らを育んでいきたい。将来、A代表で活躍する選手を育てないといけない中で、まずは国を背負って戦うということに対する責任、誇り。それは特別な作業だと意識付けしていきたいし、いろんな経験をしていく中で、日本を背負って戦うということが特別ではなくなるように、やり切れる選手になるように、メンタル面も成長させていきたい。

 クラブと代表の違いは、毎日手元に置いて見れるわけではないということ。そのときにいい選手を選ぶことが大事だと思っている。シーズンを通して視察をし、いい選手、将来的に可能性のある選手を発掘していかないといけない。クラブチーム内に競争があるの当然だが、この代表チームではもっと激しい競争をあおりながらやっていかないといけない。セントラル方式の大会では、チームが一つにまとまるための雰囲気づくりに最大の力を発揮しないといけない。一体感をつくることには、自分なりに自信があります」

―J3に参加するU-22選抜チームとの連係は?
「うまく絡めるようにしたい。(U-22選抜チームの)短期間のトレーニングや試合を見るのもそうだが、高畠監督とコミュニケーションを取りながら、選手ともコミュニケーションを取れる機会があれば、自分としてもいいと思う。選手にとって試合経験を積むのは絶対にいいことなので、うまくサポートできれば」

―1月のAFC U-22選手権をどんな大会にしたいか?
「共同生活ができる大会なので、選手のプレーはもちろんだが、パーソナリティーも見極められるようにしたいし、成長を促すために、コミュニケーションを取って、その手助けをしたい。勝ち続けることで成長を加速させられる大会だと思うし、そこを目指しつつ、こっちの考え方と彼らの考え方を把握できればなと思う」

―若い年代を育てる手法とは?
「コミュニケーションを取ること、モチベーションを与えること。サッカーの監督、選手という立場でもコミュニケーションは取るが、一人の人間として、この世界で生きていくための心構えなどを、人生の先輩としていろんな立場から話していければと思っている。私もこうして代表監督になったが、順風満帆だったかというと、そんなことはない。いろんな苦労もしてきたし、ミスも起こる。そういうときに前を向く姿勢、ポジティブな姿勢を貫いて、彼らを導ければと思っている。選手を信頼し続けるということ、期待し続けるということをやり続けたい」

―仙台でやってきたベースは変わらない?
「そこは僕の軸です。それを変えるというのは、原さん(原博実技術委員長)が自分は『ブレない』と言ったのに、『何、ブレてるんだ』となる。積み上げてきたものを信じて、そこからの上積み、もっと成長できるという可能性を信じて突き進みたい。僕のスーツも急きょダンヒルを急いで用意してもらったけど、あまり変わらないでしょ? Jリーグの記者会見のときと比べて、みなさん(報道陣)の雰囲気もちょっと硬いかなと感じている。また良い雰囲気をつくっていければなと思っていますので、よろしくお願いします(笑)」

―ザッケローニ監督の戦術を踏まえた戦いをするのか?
「このチームにずっと携わってきた霜田さんがザッケローニ監督の戦術を落とし込みながら、これまでの大会を戦ってきたという話は聞いている。今回はコーチとして入ってもらっているので、コミュニケーションを取りながら、この大会で勝つためのチームを構築していきたい。準備期間が短い中で、シーズンが終わってオフに入った選手もいる。選手がどれだけ高い意識を持って1月5日に集合してくれるか。そこから競争は始まる。やれない選手は置いていくしかない。それはこの場を借りて、各選手に伝わっていけばと思っている」

(取材・文 西山紘平)

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