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岡崎「テクニックではなく気持ち」で代表3人目の40ゴール到達

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[11.18 キリンチャレンジ杯 日本2-1オーストラリア ヤンマー]

 MF今野泰幸の先制点が決まってから7分後の後半23分だった。左CKが崩れて右サイドへ流れたボールをDF森重真人がドリブルで運び、ペナルティーエリア内へ。森重が敵陣をえぐる動きに合せてニアサイドに入ったFW岡崎慎司(マインツ)は、オーストラリアDFを背後にしたまま右足のヒールキックでゴールへと流し込んだ。

 “岡崎史上”、最も華麗と言えるシュートで、アギーレ体制6試合目にして待望の初ゴールだ。自身にとっては国際Aマッチ40ゴール目。75得点の釜本邦茂、55得点の三浦知良に続く史上3人目の代表通算40得点に「テクニックというか、気持ちで押し込んだ僕らしいゴール。前半はチャンスで決められなかったので絶対に決めてやろうと思っていた。50得点も狙っていく」と自画自賛した。

 14日のホンジュラス戦。大量6得点に沸いたチームの中で、岡崎はある思いを口にした。「もっと自分にボールを集めてほしい」

 それは背番号9というエースストライカーの番号を付ける選手としての矜持を示したものだった。オーストラリア戦に向けては練習から「パスを出してほしい」と仲間に要求し、この日は何度も前線にパスが来た。前半は押し込まれることが多かったが、かえって味方はボールを奪うとエースに託すことが増えた。ショートパスのみならず、ロングパスのターゲットになることも多かった。

 一方でアギーレ監督は試合前日、「彼は決してガードを下げない。明日、そのがんばりの褒美がもらえればいいと思う」と話していた。指揮官のエールは見事、予言になったわけだ。

 岡崎は「FWは、いいときはいいと言われるけど、点がなかったらなかなか難しい。強い気持ちがないとできないポジション」と吐露しながら、通算85試合40得点という数字に胸を張った。

(取材・文 矢内由美子)

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