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アジア最終予選メンバー発表前最後の選考合宿、U-16日本代表候補が練習試合で城西&鹿実に圧勝!

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 8月22日からU-16日本代表候補が鹿児島で最終候補合宿に入っている。9月頭に予定されているAFC U-16選手権(17年U-17W杯アジア最終予選)のメンバー発表を前にした最後のトレーニングキャンプ。暑いインドを想定しての鹿児島キャンプの総仕上げとして、25日に地元の強豪校、鹿児島城西高鹿児島実高の胸を借りて実戦テストを実施した。

 まずは鹿児島城西と現状のベスト布陣に近い、いわばAチームが対戦となった。FWに宮代大聖(川崎F U-18)と久保建英(FC東京U-18)、中盤左右に中村敬斗(三菱養和SCユース)、鈴木冬一(C大阪U-18)が入り、中央には平川怜(FC東京U-18)と今回初招集の谷本駿介(C大阪U-18)を大抜擢。バックラインの左右には菊地健太(JFAアカデミー福島U18)、菅原由勢(名古屋U18)、そして中央には負傷から復帰した小林友希(神戸U-18)と瀬古歩夢(C大阪U-18)、GKには谷晃生(G大阪ユース)が入った。

 試合は立ち上がりから一進一退。やや日本代表が優勢ではあるものの、今ひとつピリッとしない流れとなった。「いらないバックパスが多すぎた」と久保が首をひねり、森山佳郎監督が「各駅停車のパスが多すぎた」と言ったように、小気味よくボールが動く時間帯が限定されており、相手の守備を崩すには至らない。守備でも「どこから(ボールを奪いに)行くかという感じで、簡単に持たせてしまった」(森山監督)と、高い位置でボールを奪うことができなかった。

 ただ、ハーフタイムを機にしてボールを取りに行く本来の姿勢が出てきたことで流れも変わった。立ち上がりから前への圧力を強めると、後半2分には鈴木の右サイド突破から久保が中央で合わせに行くと、これがオウンゴールを誘発。さらに11分には久保が自らのドリブル突破で得たPKを決めて、2-0と差を広げる。さらに18分には宮代のクロスを久保がオーバーヘッドキックで狙うと、そのこぼれ球に抜け目なく反応した中村が3点目を流し込んで勝負を決めた。

 試合を通じて印象的だったのは瀬古と小林の2CBの安定感だろう。ともに負傷明けで、「まだ体がちょっと重い」(瀬古)というものの、ロングボールに対する堅実かつ力強い対応などクオリティの違いを見せた。森山監督も「そこ(CB)が安定したのは大きい」と、メンバー発表直前に帰還してきた2人の主軸CBが違和感なくプレーできたことに安堵の声を漏らした。

 そしてメンバー入り、先発奪取を狙う選手たちが鹿児島実に挑んだ第2試合では、FW棚橋尭士(横浜FMユース)が前半で2得点1アシストの活躍を見せるなど気を吐いて、4-0と圧勝。キャプテンマークも巻いた棚橋は「メンバーに入るだけじゃなくて、先発に入りたい」と強い意欲をみなぎらせてのプレーでチームを引っ張り、先発陣に刺激を与えてみせた。また左右MFでプレーした上月壮一郎(京都U-18)も「結果を残さないと生き残れないと思っていた」と、2得点。勝負強さを見せ付けた。

[写真]U-16日本代表候補の久保は全3得点に絡む活躍

(取材・文 川端暁彦)
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