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「一番自信のない部分」好調原口が乗り越えたい壁、2戦連発なるか

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ヘルタでは開幕からフル出場を続けている日本代表FW原口元気

 今、最も勢いに乗っている男だ。海外組の多くが所属クラブで苦しむ中、日本代表FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)は開幕から6試合連続フル出場中。チームも4勝1分1敗と、首位バイエルンを勝ち点3差で追う2位につけている。6日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)でも左サイドハーフで2戦連続先発が濃厚な25歳は「コンディションはベストだと思っている。他の選手は分からないけど、メンタルもコンディションもベストな状態でできる」と頼もしい。

 ヘルタでの流れを代表にもつなげたいところだが、「役割も相手のレベルも違うからヘルタのプレーをそのままとはいかない」としたうえで、「もっと攻撃的というか、ヘルタは(攻守の割合が)半々ぐらいだけど、代表では攻撃に比重をかけられる」と、同じ左サイドハーフでもよりFW的なプレーを意識するつもりだ。

 DF酒井高徳はイラクの映像を分析した結果、「相手の右サイドバックは対人のところで守備の能力が低い。(原口)元気みたいなドリブラーが1対1で仕掛ければ脅威になる」と、日本の左サイドがカギになると指摘。これには原口も「パスとか裏だけでは崩れない。開いた位置から1枚はがすことも必要だと思うし、そこで自分の良さも出せる」と、イメージを共有している。

 9月1日のUAE戦(1-2)で黒星スタートを切り、追い込まれた同6日のタイ戦(2-0)で先発起用された原口は1ゴールと結果を残した。ボランチやサイドバックなど不慣れな位置で起用されることも多かったサイドアタッカーが本職の左サイドハーフで躍動。その存在をあらためて示した。

 しかし、たった1試合でハリルホジッチ監督の信頼を勝ち取ったとも、先発定着への足がかりになったとも思っていない。「今回も危機感しかないし、パッとしなかったらすぐにベンチに戻る立場。でも、危機感を持ってやっているときが一番結果も出せると思う」。何よりもゴールが最高のアピールになる。

「変な話、一番自信のない部分。ゴール前のクオリティーが課題なので」。1対1の仕掛け、サイドでのチャンスメイク、攻守にわたるハードワークと献身性。目に見える進化の一方で、今季もいまだ無得点とゴールだけが足りていない。「タイ戦では結果として出たけど、明日の試合も含めて今後、結果を出し続けることで自信、実力につながると思う」と、最後の“難関”に挑んでいる。

 舞台はかつての本拠地・埼玉スタジアム。相手は昨年6月11日の対戦で代表初ゴールを決めたイラク。「何としても決めたい。ゴールはイメージしやすいスタジアム。決めたいですね」と、2試合連続ゴールを誓った。

(取材・文 西山紘平)

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