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選手も読めないサウジ戦先発、長谷部「監督も緊張感を持たせようと…」

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サウジアラビア戦に向けて調整するMF長谷部誠

 選手たちもだれが先発で出るか分かっていなかった。日本代表は14日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦に向けて最終調整。練習後、報道陣の取材に応じたMF長谷部誠(フランクフルト)は「昨日と今日の練習では、明日だれが出るか僕らも今の段階で分からない」と、練習の中だけで先発組を見極めることはできなかったようだ。

 11日のオマーン戦(4-0)後、ハリルホジッチ監督は「本田は試合のリズムが足りないということが確認できた」と述べ、サウジアラビア戦でFW本田圭佑を先発から外す可能性に言及。一方で、トップ下で1ゴール2アシストを記録したMF清武弘嗣、1トップで2ゴールと結果を残したFW大迫勇也を絶賛し、「キーとなる選手であっても、それに代わる選手のパフォーマンスのほうが高ければ、問題なくその選手を使う」と明言した。

 本田、MF香川真司、FW岡崎慎司らが直面する先発落ちの危機。大迫、清武、FW浅野拓磨、FW原口元気らが台頭し、チーム内の競争は激化している。指揮官は試合前日会見で「先発11人にだれを使うか、かなり考えた」と述べながらも、スタメンについて明言は避け、「明日、チームを選んだ段階でみなさんに見せられたらと思う」と話すにとどめた。

 実際に練習でもさまざまな組み合わせを試しているようで、長谷部は「監督も緊張感を持たせようとしているのかなと思う」と、その心中を代弁。「だれが出るにしても、監督が求めるサッカーをやらないといけない。今日の夜と明日の昼にミーティングがある。そこで自分たちの戦い方について話もあると思う」と、試合前夜もしくは試合当日のミーティングで先発がだれか判明すると考えている。

 最終予選の行方を占う大一番。勝てば首位サウジアラビアに勝ち点で並ぶことができるが、引き分け以下ならW杯出場圏外の4位に転落する可能性もある。「サウジアラビアは最初の2試合に勝ったことで、ここ2試合も自信を持ってやっていると感じる」と警戒するキャプテンは「自分たちのホームだし、勝たないといけない。でも、絶対に負けてもいけない。リスクを冒すところ、リスクマネジメントはしっかり考えないといけない」と、試合の流れに応じた状況判断が大事になると強調した。

「今日の練習もかなりいい緊張感を持ってやれている。この試合の重要さを感じているし、それはチームの雰囲気として出ていると思う」。決戦の時が迫る中、求められるのはチームの結束力。長谷部は「いろんな選手に可能性がある中で、明日は一人がどうこうより、全員が攻守両面で戦う姿勢を見せないといけない」と力説した。

(取材・文 西山紘平)

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