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代表初招集のFW古橋亨梧、出身の中央大・佐藤監督が当時を回想「どこでもやれる」

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日本代表初選出のMF古橋亨梧

 日本代表に初招集されたMF古橋亨梧(神戸)は興國高を経て、2013年に中央大サッカー部に入部。当時ゼネラルマネージャーだった中大・佐藤健監督は「最初から戦力になっていた」と当時を振り返る。

 古橋は大学入学初年度からリーグ戦に出場。5月6日の第6節でベンチ入りして後半16分に途中出場でデビューすると、38分にはさっそくゴールを挙げた。その年にブレイクを果たして全日本大学選抜に選出。関東選抜にも3年連続で選ばれた。

 佐藤監督は古橋の印象について「スピードとテクニックがある。ライン際を抜いてGKの前に行って、1対1をつくるのはすごく上手かった」と語る。大学初年度で最高のスタートを切った古橋だが、その後にチームは低迷。古橋の3年時に中大は2部降格、4年時でも昇格を逃してしまい、当時中大で行われたプロ入団内定会見のときにも「最終的に見たらチームに何も残すことができず、苦しい4年間だった」(古橋)と大学生活を回想していた。

 2部リーグでの苦しい戦いが続く中、プロ入りを目指す古橋。すると、FC岐阜の指揮官に就任したばかりの大木武監督(当時)の目に留まる。「あいつの魅力をわかってくれた」(佐藤監督)。岐阜に加入した古橋はともに大卒ルーキーだったDF大本祐槻(現長崎)らとともに豊富な運動量で台頭。前線からのプレス、細かいパス回し、そして鋭いサイド攻撃で牽引し、リーグ戦全42試合でスタメン出場を果たした。

 さらにプロデビュー翌年の18年夏にはヴィッセル神戸に加入。岐阜でさらに鍛え上げられた攻撃的センスはMFアンドレス・イニエスタらともマッチ。18シーズンは半年間で13試合5得点を記録した。

「場があればあいつはどこでもやれる」と佐藤監督は太鼓判を押す。イニエスタとの相性の良さも「走るタイミングが上手く、なおかつ速い。長いパスだとしてもいい位置に落とせる。そのタイミングがイニエスタなら合うんだと思います」と高く評価した。

 代表初招集となった19日のキリンチャレンジ杯・ベネズエラ戦(パナスタ)で古橋は9番を背負う。ベンチスタートが濃厚とも言われているが、佐藤監督は「普通にやれますよ」と期待を込める。「思いっきりやれ、ですよ。何も考えずに自分のプレーを思いっきり出せばいい。楽しみですね」。かつての教え子が日本代表としてピッチに立つ。指導者にとって最高のその瞬間を心待ちにしていた。

中央大の佐藤健監督


(取材・文 石川祐介)
●第93回関東大学L特集

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