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カタールW杯へ生き残り誓う原口元気「反骨心が出てくるシチュエーションは得意」

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日本代表のMF原口元気(ウニオン・ベルリン)

 7大会連続7度目のW杯出場権を獲得した日本代表のMF原口元気(ウニオン・ベルリン)が、ベトナム戦を前に取材対応し、W杯への思いやポジション奪回への意気込みを語った。

 24日のオーストラリア戦では0-0だった後半39分にMF田中碧と交代でピッチに立ち、4-3-3のインサイドハーフの位置でプレー。「一番先に考えたのはバランスをとること。失点だけはしたくなかった。その中で得点を取って勝ち点3を取れれば」という意識でプレーし、89分にはMF三笘薫の先制ゴールの起点となるパスを出した。そこには「バランス」を考えた冷静な判断があった。

「リターンを受けた時に、僕自身が中に切り込んでいくという選択肢もあったんですけど、両サイドが結構上がっていたし、バランス的につっかけてカウンターを食らうよりは時間をかけて攻撃しようと思ったのであの選択肢になった。結果的に山根と守田で崩せて、そこから決勝点が入ったので、あの選択で良かったと思っている」

 戦況に応じた判断力については「30歳になって僕も経験してきたから」と自己分析している。

「自分のやりたいとことと、チームがやらなければいけないこと。どのタイミングでそれをチョイスして、出すか出さないか。それがすごく上手くなってきたと思っている」

 ロシアW杯ではハリルジャパンの主力として最終予選突破に大きく貢献し、西野朗監督に交代した本大会でもチーム随一のハードワークで日本のベスト16入りに貢献した。森保ジャパンになってからはポジションを奪われる形になりつつも、他の選手にはないハードワークと攻撃力の両立で生き残っている。現時点で最終予選での先発は9試合中1試合にとどまってるが、「反骨心が出てくるシチュエーションは得意だし、好き。今の状況は個人的にすごくいいなと感じている」と最後に巻き返すことを期している。

 カタールW杯の出場権を獲得した今、ロストフの悲劇を味わった者として、その悔しさを晴らすことだけを考えて代表活動に取り組んできたとも語った。

「日本代表がもう一個上のステージに行くために、僕らの世代が突破することが、僕らの世代の大きな課題かなと思っている」

 ギラギラ感と献身性のバランスも光る原口。ベトナム戦に向けては「チャンスがあれば、そこは自分の表現したいことを出すところだと思っているし、ここからが勝負だと思っている」と表情を引き締めていた。

(取材・文 矢内由美子)

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